被災地支援の新技術紹介 eメッセ金沢開幕、県産業展示館 遠隔で診療、家屋損壊確認

能登半島地震で活用された遠隔診療システムの展示ブース=16日午前10時20分、金沢市の石川県産業展示館1号館

 石川県情報システム工業会の「eメッセ金沢2024」(北國新聞社後援)と県鉄工機電協会の「MEX金沢2024」は16日、金沢市の県産業展示館で開幕した。両展示会の同時開催は5年ぶりで、eメッセでは各企業が能登半島地震の被災地で活用された情報通信技術(ICT)や通信サービスを展示し、災害に備えた最新技術を提案した。

 1号館で開かれたeメッセには83社・団体が参加した。

 NTTドコモグループのNTTコミュニケーションズのブースでは、ビデオ通話ソフトなどを使って、被災者が金沢市内などの2次避難所から、奥能登にいるかかりつけ医の問診を受けられる診療システムを紹介。人工知能(AI)による顔認証を活用したゲートなども展示し、山本章博北陸支社長は「今後、全国でも災害対策として活用を検討してほしい」と呼び掛けた。

 NTT西日本北陸支店は、ドローンで被災した家屋の損壊状況を確認するサービスなどを紹介した。

 このほか、会場では暗闇でもきれいに写る超高感度のカメラや、事務作業を効率化するソフトのコーナーなどがにぎわった。

 金沢市主催の「カナザワeスポーツエキスポ」(北國新聞社後援)も同時開催され、来場者がゲームを楽しんだ。

  ●加工機などを披露 MEX金沢

 3、4号館で開かれたMEX金沢には、213社・団体が出展した。60回目を迎えた今年のテーマは「駆け上がれ! 新しい技術のステージへ」で、作業時間を大幅に短縮する複合加工機や、デジタル技術を活用した飲食店向けコンベヤー機など多彩な製品が並んだ。

 北陸三県の小中学生を対象にしたアイデアコンテストを初めて企画し、最優秀賞など全108作品が展示された。

 4号館で行われた合同開会式では、県鉄工機電協会の中村健一会長、県情報システム工業会の小清水良次会長があいさつした。馳浩知事、村山卓金沢市長が祝辞を述べた。

 2号館では県産業創出支援機構の「ビジネス創造フェアいしかわ」が始まり、それぞれ18日まで開かれる。

最新機械が並んだMEX金沢の会場=16日午前11時15分、県産業展示館4号館

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