新鋭・新村駿が4アンダー好発進 最終ダボは“神様”のお告げ?「追われるより追う立場がいい」

初日好発進となった新村駿(撮影:鈴木祥)

<関西オープン 初日◇16日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6869ヤード・パー70>

日本最古のオープン競技の初日に、新鋭・新村駿が1イーグル・6バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「66」をマーク。4アンダーの好スタートを切った。

インからスタートした新村は、10番パー4で「段を越えて下るような難しいライン」のおよそ7メートルのパットをカップにねじ込みバーディ発進。続く11番もスコアを1つ縮めた。これまでは「スタートが悪い」パターンが多かったからこそ、この好スタートで気持ちの余裕が生まれた。

さらに15番パー3(183ヤード)で約6メートルのバーディパットを決めると、開催前に「ワンオンを狙います」と話していた16番パー4(314ヤード)を迎えた。ただ、右のエッジから7ヤードのピン位置ということもあり、「アプローチで狙えるところに打てればいい」という狙いでユーティリティを握る。だが、ボールはグリーン左にあるアゴの高いガードバンカーへ入った。

バンカーとグリーンの間は少し距離もあり、グリーンは砲台。難しいと感じるシーンで「狙いやすかった」とチップインイーグルを決めた。「ラッキーで入って、『あ、きょうなんかいいぞ』って(笑)」。その後も流れを崩さずに前半最後の18番でバーディ。7アンダー・単独首位で後半へ向かった。

「甘くないってことです(笑)」。後半は打って変わって苦しんだ。パターを構えたときに、体が少し動きそうになるほどの強い風が吹いた。その影響もあり5番、7番とボギーを喫するも、前半の貯金が生きてトップの位置はキープ。8番パー4(346ヤード)ではティショットをグリーン手前20ヤードの位置まで運び、寄せてのワンパットで1打取り戻した。

しかし、最終9番パー4に落とし穴があった。右からの風が吹くなか、好調なドライバーで放ったティショットは、まさかのOBとなった。「練習ラウンドで左に真っすぐ打ったときにボールがどこかに行ってしまったんです」と左を警戒し、右からの風と対抗するように「フェード」で攻めた。だが、スライスが強めに入りボールは風に流されず、そのまま右の林へ吸い込まれてしまった。結果はダブルボギー。肩を落としアテストへ向かった。

「もちろん悔しいんですけど、甘くないなって感じ。ずっといいことなんか絶対にない。『気を緩めるんじゃないぞ』ってことじゃないですかね。『油断するなよ』ってことです。神様からの(笑)。僕は今年チャレンジャーなので、全然余裕はない。最後のOBで、あすからのやる気がさらに出ましたね。良いスコアだったら気持ちがだらけていたかもしれない。追われるより追う立場がいいので、気持ちは締まりました」

QTランクは288位。下部ツアーが主戦場の新村は先週のレギュラーツアー「For The Players By The Players」で4位タイに入り、その資格で今大会に挑んでいる。目標は「来週につなげること」。今回もトップ10入りを果たせば、来週の「〜全英への道〜ミズノオープン」への出場につながる。まずは、好位置をキープして決勝ラウンドに進みたい。(文・高木彩音)

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