西条・世田薬師の鐘楼79年ぶり復元 鎌倉初期の建築様式再現

栴檀寺の鐘楼完成を祝う寺関係者や信徒

 「きうり封じ」で知られる愛媛県西条市楠の世田薬師栴檀寺(せんだんじ)の鐘楼が79年ぶりに復元された。鎌倉時代初期の建築様式を木造で再現し、縦約150センチ、直径約90センチの釣り鐘も新調。完成を記念した法要が15日に営まれ、信徒や地域住民らが参列した。

 田中誠時住職によると、鐘楼は現在の大師堂や本坊がある辺りから約1キロ離れた世田山中腹の「奥の院」周辺にあった。太平洋戦争末期の1945年春に釣り鐘を供出。鐘は戻らず、鐘楼も取り壊したという。

 2024年の創建1300年事業の一環として、鐘楼の復元を計画。奈良市の新薬師寺の鐘楼(国指定重要文化財)をモデルに、外壁はしっくい塗り、県産のヒノキや大島石を用いて新築した。

栴檀寺の鐘楼完成や創建1300年を祝う稚児行列

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