調子上向きのチェルシー、会長は長期計画と強調「ドジャーズを買収した時も…」

チェルシーのトッド・ベーリー会長が、調子が上向いて来たチームについて言及した。15日、イギリス紙『イブニング・スタンダード』が伝えている。

2003年からロシア人オーナーのロマン・アブラモヴィッチ氏によって所有されてきたチェルシーだが、ロシア・ウクライナ情勢の影響から2022年3月に売却を表明。同年5月にベーリー会長が共同オーナーを務めるグループによって買収され、新体制となった。

最初の3回の移籍市場で総額10億ポンド(約1955億円)以上を費やし、欧州における1シーズンの史上最高額や英国の移籍記録などを塗り替えて、チームに大きな変化をもたらした。しかし、最初のシーズンを12位で終えると、マウリシオ・ポチェッティーノ監督が就任した今シーズンもリーグ中位が定位置となっていたことから、新しいオーナーグループには厳しい目が向けられていた。

それでも、多数の負傷者を抱えながら懸命にチーム作りをしてきたことで、チェルシーは今季の最終節を前に来季の欧州大会出場圏内となる6位にまで浮上。最終節の5位トッテナムの結果次第では5位フィニッシュの可能性まで残るところまでチームを立て直すことに成功した。なお、ボクシングデー(昨年12月26日)以降の成績ではマンチェスター・シティ、アーセナル、リヴァプールに次いで、リーグ4位の成績を残していることも明らかになっている。

明るい兆しが見え始めていることを受け、ドーハで行われたカタール経済フォーラムで現在のチーム状況について聞かれたベーリー会長は「一番大事なことは忍耐強くなければならないということだ」と結果が出るまでには時間がかかることを予想していたことを明かした。

「何かを組み立てている時、それがすぐに完成することを期待するけど、現実は本当にいいものには少し時間がかかるものだ。忍耐というのは常に考えていたことだった。私たちはこのチームが本当に若くて楽しみなチームであり、これから長く協力していくだろうと考えている。長期的に見れば、チームやフロント、コーチングスタッフは本当に安定していると思う」

「平均よりも長い契約を結んだ若いチームにとって基礎を築いて、チームに安定感が出てきたことはいいことだ。それに欧州サッカーには現実があり、7年契約というのは実際には5年に相当する。なぜなら、契約を最終年まで全うすることはなく、契約を延長するか、選手とクラブにとって何が最善かを判断することになるからね」

さらに、大谷翔平や山本由伸らが所属しているMLB(メジャーリーグ・ベースボール)のロサンゼルス・ドジャースの株主を務めるベーリー会長は「2013年にドジャースを買収した時、私たちは15勝25敗でスタートした。それでも、それが正しいと信じていたので、その計画に固執し続けた。そして、チェルシーでも同じようなことを経験した」と語りながら、次のようにチェルシーの飛躍に期待を寄せた。

「周囲の雑音を一切聞かずに計画に忠実に取り組み続けるという決意を持たなければならない。そして、ボクシングデー以降、私たちはプレミアリーグで4番目に優れたチームにもなっている。今何が起こっているかを見れば、どんどん良くなっていると感じているよ」

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