盆栽店後継ぎの福田さん、鹿沼のサツキ業界盛り上げへ意欲 生産者と愛好家の高齢化に危機感 マップ作製、6月1日にイベント

マップを手にする福田さん

 【鹿沼】海外で人気の市名産・サツキの魅力を地元でも広めようと、茂呂のサツキ盆栽店「楽樹園」の後継ぎ福田洋一(ふくだよういち)さん(31)が動き出した。市内のサツキ生産者を示したマップをこのほど作製。6月1日には、飲食もできるサツキ盆栽などの展覧会を初めて催す。生産者と愛好家の高齢化への危機感が背景にある。

 福田さんは、楽樹園の代表福田稔(ふくだみのる)さん(68)の長男。同店を手伝う傍ら2017年から隣接する多肉植物とサボテンの専門店「LadyBird(レディーバード)」を経営する。

 市内では古くからサツキ生産が栄え、5月末恒例の「鹿沼さつき祭り」は全国の愛好家でにぎわう。近年は海外から多くのバイヤーがサツキを買い求めに市内を訪れるのだという。

 一方で後継者に恵まれず店を畳む生産者も目立ち始めた。福田さんによると、同世代の生産者は市内にはおらず、業界では50代が若手とされる。愛好家も高齢化が顕著という。「このままじゃ業界はパタンと終わる。世界に誇れる鹿沼のサツキの魅力をもっと発信しないと」との強い信念から、福田さんが新規顧客の開拓に乗り出した。

 手始めに市内の若手生産者でつくる「鹿沼さつき会」の10店を掲載したマップを作製。福田さんの妻が手描きした愛らしいイラストで、店の所在地を一覧できる。サツキとツツジの違いなど基礎知識も記した。市花木センターなどに千部を置いた。

 6月1日には愛好家から募ったサツキや盆栽、多肉植物を展示するイベントを、レディーバードで開催。園芸用土や陶器の業者たちによるワークショップなども予定する。飲食店が出店する。福田さんは「ちょっとでも気になったら来てほしい」と呼びかける。午前11時~午後9時。詳細はイベント公式インスタグラムに掲載。(問)福田さん080.8035.8386。

6月1日のイベントのチラシ

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