陣痛室でぎっくり腰に…(なぜ!?)、生まれそうなのに行方不明(根に持ってます‼)、うちわで自分をあおぎ助産師に叱られる(暑いのは妻!)。出産にまつわる夫の爆笑エピソード

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「たまひよ」アプリユーザーに大人気の「出産爆笑エピソード」集、今回は出産のもうひとりの主役・夫編です。妻も必死だけど夫も必死。夫の立ち会い出産が当たり前になった時代、モヤッとあり、爆笑あり、そして感動あり、たくさんのエピソードが集まりました。数千人の母子と家族のケアを行い、多方面で活躍する助産師の濵脇文子先生に聞きました。

「まずタピオカを飲ませて~‼」と半狂乱、助産師さん蹴とばしてドアまで吹っ飛ぶ、などなど。出産爆笑エピソード

当時は必死、でも今なら笑えるエピソード

「上の子の出産時、もうすぐ生まれる!って時に、パパは私のそばを離れて赤ちゃんの方へ……。が、なかなか出てこない。ふとパパの顔を見たらすごく痛そうな顔をしていました(笑) 『お前は痛く無いやろ!』と、冷静に心の中でツッコミいれていました」(寒がりかあちゃん)

「出産時、いきむときに声を出してしまう私に、助産師さんが『声は出さないで(いきんで)!』と注意されると、なぜか立ち会っていた夫が『はい!』と、返事。声かけをやめました。助産師さんが『夫さんはいいんです!!!(笑)』と、言うやりとりに、分娩中ながら笑ってしまいました」(みー)

「子宮口がなかなか全開にならず、長い時間を経てやっと分娩室へ! 喉がカラカラに渇いたのですが、痛みでしゃべることができず、夫に手を差し出すので精一杯。勘違いした夫は心配そうにぎゅっと手を握り返してくれたのですが、余裕のない私は『違う!お茶!!』と怒鳴りつけました。今思うと笑えるし、同時に可哀想なことをしたな…と」(mAko)

「いきみ逃しで尾てい骨を抑えて欲しかったのに、思いっきり浣腸してきた夫。『誰がふざけて浣腸しとんじゃ!こっちは真面目にやっとんねん!』と、ブチ切れた思い出があります(汗) 痛すぎて余裕が無くて本当に申し訳なかった。その場にいた助産師さんも苦笑いでした」(macha)

「夫が背中をさすると『そこじゃねえだろ!』と、ブチ切れていたらしいのですが、記憶にありません。出産直後、親子3人で写真を撮ってもらいましたが、どの写真もカメラを睨んでいる私がいました(笑)」(あすか)

「『分娩時と出産直後は労いの言葉を死ぬほどかけてほしい』と、夫にお願いしていました。しかし、労いの言葉はありませんでした。産後数日して『まだ労いの言葉もらってないけど?』と、言ったら、驚いた表情に。たくさんかけてくれていたそうです。しかし、私は痛みでそれどころではなく全然覚えていないだけでした(笑)」(あんこ)

クールなの? それとも天然!? マイペースな夫編

「夫が立ち会っての出産でした。出産を終えて落ち着いた頃に『赤ちゃん出てきたとき、どうだった? 感動した? 』と、感想を聞いたら『んー。中々出てこないんだなー、あ、頭出てきたな、頭ながっ!って思った』『……』と、押し黙る私を見て『思ったけど雰囲気壊すと思って口には出さなかったよ。偉いでしょ』 確かに分娩室で言われなかっただけマシか? いや、でもな…と。とりあえず感動とは程遠かったようです」(ゆし)

「陣痛に耐える私に、呑気に雑談してくる夫。見かねた助産師さんが『夫さん、暇そうなので妻さんのお尻を押して、いきみ逃ししてあげてください(怒)』と、私が言いたかったことをかわりに伝えてくれました(笑)」(らっこ)

「出産時、陣痛室がちょっと蒸し暑かったので、助産師さんが夫にうちわを渡しました。夫がそのうちわで自分をあおいでいたら、『自分じゃなくて、妻さんをあおいで!』と、助産師さんに叱られてました(笑) 」(むぅちゃ)

なんでそうなるの? 夫にハプニング編

「1人目の出産の時です。夫が陣痛室のソファーに座ったらなぜかぎっくり腰に。陣痛の痛みと闘う私のそばで、ぎっくり腰の痛みに耐える夫。夫が動けないので、母がいきみ逃しでテニスボールで押してくれる、なんとも不思議な光景となりました」(けにぃ)

「妊娠後期、里帰り出産のため実家に戻っていました。夜、車通勤の夫が仕事帰りに寄ってくれ、『じゃあそろそろ帰る』というので、見送ったのですがその直後に陣痛が始まりました。夫に連絡を入れたら慌て過ぎて、病院の前のカーブを曲がりきれずガードレールに突っ込み事故に。もちろん出産に間に合わず、病院内でも噂になり、忘れられない日になりました」(イズミ)

「もうすぐ生まれる、となり、看護師さんが待合室にいる夫を呼びにいったらいない。夫さんが行方不明だ!と、分娩室の看護師さんたち総出で探しに出て、痛みに苦しんでいる私は分娩室にひとり取り残されました。夫は少し離れた自販機へ飲み物を買いに行ってました。陣痛で悲鳴をあげる私の姿を見て、立ち会いが怖くなったそう。ベテラン看護師さんから『もう生まれるよ、来な!』と、はっぱをかけられて立ち会いに参加しましたが、ひとり分娩室に残されたことは、少し根に持ってます」(かまぼこ大好きの妻)

「なかなか生まれず、助産師さんにおなかを押され、さらに吸引分娩での出産でした。すっぽんすっぽんと何度も頭を引っ張られ、顔の倍くらいの頭の長さで産まれてきた我が子をみて、夫は嬉しさよりも『宇宙人みたい』と、心配になったようです。ちなみに私は目が悪いのでよく見えなかったです」(ゆゆ)

感涙ってすてきだよね、出産に大感動の夫編

「陣痛が始まったとはいえ、まだまだ生まれる気配がないのに夫がぽろぽろと泣き始めました。あまりに早すぎて、先生と助産師さん達にめちゃくちゃ笑われました。私も陣痛に耐えながら、思わず笑ってしまった」(みぃ)

「生まれる瞬間のムービーを見返したら、生まれる前から夫が大号泣する声が……。ギリギリ、産声は聞き取れましたが、夫との泣き声との大合唱となっていました。その後、先生、看護師さんたちから有名な夫さん認定を受けていました(笑)」(まな)

「初めての出産で、緊張や不安でいっぱいだったのは夫も同じだったよう。立ち会い出産で緊張した夫がトイレへ行くと、急ピッチでお産が進みました。しかし夫は分娩室の入り方がわからず迷っていたら、子どもの産声が聞こえてきたそう。無事に産まれた!と思ったら安心してしまい、足がガクガクと震え、生まれたての子鹿になってしまったそうです(笑)」

「立ち会い出産なので、事前に夫にやって欲しいことを伝えていました。しかし、いざ本番となると陣痛がツラすぎてバースプランはすべて吹っ飛び、慣れない夫のサポートにイライラ。対して助産師さんが心強すぎて途中、助産師さんが部屋から出ようとした際には夫と二人きりが不安で『行かないで~!!』と、すがってしまいました(笑) でも生まれた瞬間の感動を分かち合えたから、立ち会い出産で良かったです」(ちょまる)

今回も笑いあり、涙ありのすてきなエピソードが届きました。立ち会い出産があたり前となった時代ですが、注意すべき点はあるのでしょうか。数千人の母子と家族のケアを行い、多方面で活躍する助産師の濵脇文子先生に聞きました。

「助産師はその道のプロ。頼もしくて当たり前です。そして夫さんも助産師を頼ってください」と、専門家

「妊婦さんの『助産師さんが心強すぎる』というお言葉、とても光栄に思います。けれども私たちはそれがお仕事。年間数百の出産に立ち会っていますから、臨機応変に対応できて当たり前なのです。

一方でママやパパにとっては生涯で数回しかない出産です。しかも男性は自分の身体で起こっていないので、ママの痛みを想像できず、何をすべきか察することもできず、となる。
ときどき『お産についてしっかり勉強してきました!』と意気込んで出産に立ち会うパパがいますが、出産は思い通りにいかないのが常。『きいてないよ~』と右往左往するのがオチです(笑)

専門的なことや不安なことは助産師を頼ってください。そもそも出産のプロと素人の夫さんを比べること自体が無理なのです。夫さんはあくまで心の支えとして頼りましょう。

そしてパパさんも助産師を頼ってくださいね。ベテランの助産師ほど “お父さん盛り上げ隊”と、なってお父さんをフォローします。なぜならお産は、赤ちゃんだけでなく“お父さん&お母さん誕生”の瞬間であり、それを手助けするのも我々の仕事だからです。

また立ち会い出産に弱腰のパパさんのエピソードがありましたが、とくに珍しいことではありません。
女性は赤ちゃんをおなかで育む期間があるので母となる心の準備が整っていきますが、男性のなかには父となる覚悟ができぬまま出産を迎えてしまうことがあるようです。
さらに陣痛室&分娩室という異空間、血の色や匂い、さらに妻は痛みに苦しんでいるのに自分は何もできない虚無感で、打ちのめされるらしいです。
『私が大変なときに意気地なし』と、感じるかもしれませんが、男性には男性なりの葛藤があるのです。

そしてこれは女性にも言えるのです。
数時間かかっても出産が進まず『いったん夫さんは帰宅』として病院を去った途端にお産が急ピッチで進む、は産院ではあるある話。
これは個人的な意見ですが、私は夫さんがいなくなったことで母体が安堵してお産が進むのでは、と推測しています。

夫にイライラするというよりも、夫の前で取り乱してはいけない、ワガママを言ってはいけない、と知らぬ間にプレッシャーをかけていたのが解放される? という見解です。

最近は当たり前になっている立ち会い出産ですが、事前にしっかりと夫婦で話し合い、良き出産を迎えてほしいと思います」(濵脇文子先生)

濵脇文子(はまわき ふみこ)

助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年2月の情報で、現在と異なる場合があります。

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