「米大統領選」展望語る 木曜会(会津経済研究会)例会で渡部恒雄さん講演 福島県会津若松市

米大統領選の展望などを語る渡部さん

 会津経済研究会(木曜会・新城猪之吉代表幹事)の第325回例会は16日、福島県会津若松市の会津若松ワシントンホテルで開かれ、笹川平和財団安全保障研究グループ上席フェローの渡部恒雄さんが「内憂外患のバイデン政権と米大統領選」と題して講演した。

 渡部さんは中東情勢を巡り、トランプ氏の共和党が強固なイスラエル支持で一致しているのに対し、「民主党はパレスチナに同情的な左派とイスラエル支持派が混在。党内が割れており、バイデン大統領は対応に苦慮している」と指摘した。

 その上で、米国内の分断や中国の台頭、グローバルサウスの影響力増大などにより、米国の求心力が低下し、世界は大きな転換点を迎えつつあると解説した。

 大統領選については、毎回勝敗の鍵を握る七つの接戦州での直近の世論調査でトランプ氏が優位との情報を紹介。トランプ氏人気の背景には「(経済状況など)現状をひっくり返したい人の支持が根強い」とした。ただ、「9月にならないと無党派層が態度を決めないため、まだどちらになるかは分からない」と語った。

 民主党予備選における「支持なし票」、共和党候補者指名争いで撤退したもののトランプ氏支持を表明していないニッキー・ヘイリー氏の票の行方も焦点になるとした。

 渡部さんは南会津町(旧田島町)出身。会津高、東北大歯学部卒。米国ニュースクール大政治学修士課程修了。ワシントンDCの戦略国際問題研究所、三井物産戦略研究所、東京財団を経て笹川平和財団上席研究員。今年4月に現職に就いた。(会津版)

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