稲田朋美氏 尖閣諸島沖で中国海警船から「出ていけ」の警告に激怒「本当に怒りましたよ!」

左から山田宏参院議員、稲田朋美衆院議員、東海大学の山田吉彦教授

自民党の稲田朋美衆院議員と山田宏参院議員、東海大学の山田吉彦教授が16日、日本外国特派員協会で会見し、2012年の国有化以降も上陸が禁じられ、自然環境が危ぶまれている沖縄・尖閣諸島の実地調査を訴えた。

自民党内の議員連盟「尖閣諸島の調査・開発を進める会」で会長を務める稲田氏と幹事長の山田氏は先月27日、石垣市の調査団に同行する形で尖閣諸島周辺を訪れた。12年に野田政権が尖閣諸島を国有化したが、中国海警船が領海侵犯を繰り返し、海上保安庁の巡視船が警戒する状況は変わっていないという。

稲田氏は「中国は21年に海警法を制定し、外国船籍が侵入すれば強制撤去ができると定めた。(尖閣周辺で)中国の海警船が法執行の形をつくるために行動し、海上保安庁がしっかり領海を守るための努力を続けている実態。非常に緊迫した状況である現実」と指摘した。

視察した際、中国の海警船が近づいてきた様子を振り返った。

「中国語と日本語と英語で『ここは中国古来の領土だ。出ていけ。アウトだ!』と言われ、私はもう本当に怒りましたよ! もう煮えくりかえっていますから。でも、すごい若い男性の声だったので、やっぱりそういうふうに教えられているんだなと。それに対し、(海上保安庁は)非常に冷静に、日本の立場をしっかりと言い返していました。やっぱり領土、領海を守るのが政治家の役目。ぜひ国会議員には見てほしい」と呼びかけた。

12年前にも尖閣諸島を訪問している山田氏は「中国の海警船が魚釣島にわずか1キロまで近づくなど、かなり大胆な行動を取るようになっている。現状の対応を続ける限り、『尖閣諸島はわが国固有の領土』の主張そのものに国際社会が疑い事態になりかねない」と懸念を示した。

尖閣諸島周辺の海洋調査を行っている山田教授は「外来性のヤギが多く繁殖し、植物を食べ、土壌の崩壊を招き、水源、河川が減っている。尖閣モグラ、尖閣サワガニなど希少種が生息していたと報告されていたが、心配される。プラスチック製品の漂着ゴミも多く、早急に上陸して、調査を行うことが必要」と島への上陸が禁止されていることでの自然環境が壊れている現状を憂いた。

これまでも議連は現地調査を訴え、4月にようやく周辺の視察がかなった。稲田氏は「世界の情勢が変わっている。力による現状変更の脅威が高まっていて、自分の国は自分で守ることが必要。1970年代にはできたことが今はできていない。当然のことができるような環境をつくってきたい」と一刻も早く現地調査ができるように政府への働きかけや超党派での議員立法での法整備などを進めたいとした。

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