乳がん経験者に気兼ねなく温泉・サウナを【長野市】

長野市の温泉施設で、乳がんの治療を受けた女性を対象にした開放日が設けられました。人目を気にせずゆっくりくつろげる憩いの場となったようです。

長野市権堂町の「権堂温泉テルメDOME」。14日、定期メンテナンスに伴う休館日を利用して、乳がんの治療を受けた女性を対象に特別料金で開放されました。普段の料金は平日で750円、この日は500円でした。

■温泉を運営するアールエスティ・河本昇司社長
「今回が初めて。知り合いで乳がんの人がいて、テレビでもがんの特集とかを見た時に乳がんの人たちが公衆浴場とかに来るのに抵抗があるということを聞いて、やってみようと思った」

■飯綱町から
「うれしいです。気兼ねなくは入れる感じが」
■長野市から(50代)
「東京にいる時は気にしていて、なかなかそういう所(公衆浴場)に行きづらかったんですけど。サウナもそうですし気にせず入れるかなと思っています」

こちらは乳がんの手術をした女性が傷あとを隠せるように開発・販売された入浴着。その着用を認めるなど、利用しやすい環境づくりに積極的な温泉施設は年々増え、テルメDOMEでも着用が可能です。ところが…

■温泉を運営するアールエスティ・河本昇司社長
「入浴着を着て入ってもいいようにしているが、なかなかそういう人も見られないので…」

なかなか浸透していない現状にはこんな理由もあるようです。

■飯綱町から(60代)
「最初の頃使っていましたけど、かえって人目を引いちゃう感じ」
■長野市内から(50代)
「あれだと逆に『私乳がんです』と言っているようなもので目線が気になる」

そんな女性たちにとって、気兼ねなく利用できる貴重な日となりました。13人が利用したそうです。

■飯綱町から(60代)
「気持ち良かったです」

■温泉を運営するアールエスティ・河本昇司社長
「今回も業者やスタッフの協力があって、メンテナンスが本当なら2日かかるが、1日半で終わらせてもらったりしているので。私たちのお風呂だけではなく、皆さんこういう風にやってもらえれば色んな所が入れるように皆さんにも協力してほしい」

同じ会社が運営する「川中島温泉テルメDOME」でも7月にメンテナンスの予定があり、実施を検討しています。今回の売り上げは全額がん患者の支援団体に寄付する予定です。

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