プーチン氏が訪中、習氏と首脳会談 ウクライナ「危機」には「政治的解決」必要と

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が16日、中国・北京を訪れ、習近平国家主席と会談した。共同記者会見で両首脳は、ウクライナで続く「危機」について「政治的解決」が必要だとの意見で一致したと述べた。

プーチン氏にとっては、ロシアで前例のない大統領通算5期目に入って初の外国訪問となる。

両首脳による会談はこの1年余りで3回目。

ウクライナ侵攻を2年以上続けるロシアは、アメリカをはじめとする西側諸国から数多くの制裁措置を受けており、中国との関係に活路を見いだそうとしている。

中国はロシアに技術や部品を提供しており、西側からウクライナ侵攻を支援していると非難されている。これに対し中国は、人命を奪うようなものは輸出しておらず、商業用途のあるものだとしている。

こうした状況で、世界が注目する首脳会談となった。

共同記者会見

首脳会談後の共同記者会見では、習氏が冒頭、中国とロシアの長い歴史とつながりに言及。両国は相互に信頼と支持を深めていると述べた。

一方プーチン氏は、大統領通算5期目に入って最初の外遊先が中国なのは「論理的」に当然だと説明。ロシアと中国とのパートナーシップは、国と国との関係がどう機能すべきかの見本だとし、習氏とは頻繁に連絡を取り合っていると付け加えた。

また、中国側の「温かく」「友好的な」歓迎に感謝を表明し、会談は「実務的」なものだったと述べた。

ウクライナでの戦争については

習氏はウクライナでの戦争をめぐり、中国とロシアが「政治的解決」の必要性で同意していると述べた。

そして、「この問題について、中国の立場は明確かつ一貫している。それには国連憲章の目的や原則の順守も含まれている」、「中国はヨーロッパの平和と安定の早期回復を望んでいる」などとした。

プーチン氏も、ウクライナでの戦争が首脳会談で議題になったと認め、「ウクライナ危機を解決するための中国の努力に感謝している」と述べた。

また、ロシアと中国の双方が「この危機の政治的解決」を望んでいると付け加えた。

習氏は、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争についても言及。これまでと同様、2国家解決が永続的平和のための唯一の選択肢だと述べた。

習氏はまた、ガザの状況解決が「なにより緊急の課題」だということで、両首脳は同意したとした。

通商をめぐって

プーチン氏は通商にも触れ、ロシアが中国への食品輸出を増やしていると述べた。

プーチン氏また、ロシアの優先事項は貿易と投資だと説明。「私たちは中国の自動車メーカーを市場に歓迎する」と述べた。

西側諸国がロシアに制裁を課してから、中国はロシアにとって自動車、衣料品などの多くの製品の重要な供給元となっている。

プーチン氏はさらに、両国が「平和的な原子力協力を深めている」と述べた。それ以上詳しいことは明らかにしなかった。

プーチン氏は「エネルギー協力を深めるための具体的な計画」があるとし、エネルギーはロシアの「優先事項」の一つだとした。

両首脳はメディアの質問を受けず、記者会見を終えた。

(英語記事 Xi and Putin push for 'political solution' to Ukraine war

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社