奈良交通 2024年3月期決算 黒字確保も「乗合事業」は厳しい状況続く

奈良交通は2024年3月期の決算を発表しました。全体の営業利益は2期連続で黒字を確保したものの、収益の柱である「乗合事業」では、厳しい状況が続いています。

奈良交通によりますと、売上高は前の期よりも12億7,000万円あまり増えて、186億4,700万円でした。

このうち5割以上を占める路線バスなどの乗合事業収入は、インバウンド需要の増加などもあって104億8,600万円となり、コロナ禍前の水準の9割程度まで回復しています。

ただ、円安と物価高により人件費や車両の修繕費用が増加したことや、燃料費の高騰などもあって、乗合事業単体では5億6,000万円あまりの赤字となりました。

一方で、コロナ禍からの回復が進んだ「貸切事業」と、「生活創造事業」で収益を確保できたことで、全体の営業利益は2期連続の黒字となりました。

奈良交通の森繁久専務取締役は、「円安と原油高に加え、人材不足を喫緊の課題に挙げ、公共交通の使命を果たすために安定した経営に努力する」と語りました。

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