【新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念インタビュー】meiyo - 数々のバズソングを生み出す令和のポップマエストロが新宿LOFTとの共催イベント『aufgießer 2nd set』で怒涛の音楽熱波をお届け!

meiyoにとって新宿LOFTは“今も憧れで、追いつけていない場所”

──最近、TV番組の『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ)に出演されてましたよね。

meiyo:あれはもう(笑)、本番の日は上手く歌うためのアドバイスもいただいていたんですけど練習すればするほど緊張していく、という感じになって。

──個人的にTV番組で久しぶりに爆笑しました。最近は音楽活動もとても充実されていてお忙しいようにお見受けしてますが?

meiyo:いろいろと曲を作らせてもらったりしてますけど、自分は曲を形にするのが結構、早いほうで。メッチャ早いと作業し始めてから1日である程度聴かせられるまで完成できるんですけど、いただいた猶予の締め切りまでの期間でなるべく早く終わらせるようにして、それで友達に連絡してサウナにも行ったりして。人間らしくありながら(笑)曲を作っている感じですね。

──“曲作りが早い”理由はどこにあるのでしょう?

meiyo:たとえば“曲を作ってください”っていうお話をいただいたら、その人とお話をしているうちに“こういう曲を作って欲しいんだろうな”っていうのを想像していくと、アイディアのタネみたいなものが見えてきて、それを咲かせる。みたいな感じの、作り方をしてまして。だから話が進まないと、全然(アイディアが生まれない)。良い曲を聴いたりすると“このアイディア良いな”って何となく引き出しにストックしてるとかはありますけど、自分自身が常に何か考えている、とかはないです。

──今このインタビューを仮にわたしがクライアントで、“新宿LOFTが移転して25周年でmeiyoさんに曲作りをお願いしたい”と置き換える場合、こうしてお話ししているうちにアイディアが出てきて曲に繋がる…と?

meiyo:確かに、新宿LOFTのそういう曲を作れたら楽しそうですね(笑)。25周年の間にワンマンをしたアーティストとか、周年イベントはどれぐらいの頻度でやっているんだろう、とかを話したり自分も調べていくうちに、“新宿LOFTを総括する”みたいな曲ができる…んじゃないかな、自分が見てきた新宿LOFTのこととかも併せながら。話したことをまとめて気持ちの良い表現にする、っていうことは(曲作りで)いつも考えてますね。仮に全然知らない人から曲をお願いされたとしても、“この人のどこが好きだから曲を聴きたいと思うんだろう?”とかを考えたりしながら、自分もその人を好きになって、どういう曲を歌って欲しいかを考える、みたいな感じで。だから曲を作る前にまず、自分もその人を好きになる(笑)ところから始まりますね。

──曲作りのスタンスがすごく前向きですよね。さかのぼって元々、そうやって曲作りをしていたところがあるのでしょうか?

meiyo:昔っから頼まれてもいないのに曲を作るっていうのを前からやってまして。奥田民生さんが好きすぎて“聴いてもらえるタイミングが来たら聴いて欲しいな”と思って曲を作ったりとか、ずっとしていたので(笑)。

──その曲が届く日も近いかもしれませんね…!?

meiyo:聴いてもらえる時が来たらメッチャ嬉しいですけど、でも今、その曲は恥ずかしいですね(笑)。

──その時には過去曲でなくとも、すぐにまた新しい曲が生まれるのでは(笑)。では新宿LOFTにまつわるお話を伺っていきますが、meiyoさんがLOFTに出演するようになってからの思い出を挙げるとしたら何でしょうか?

meiyo:ピンポイントな話としては、エゾシカグルメクラブと仲良くなれたことですね。LOFTに出る人って“尖ってる人”みたいなイメージがあったんですけど、メッチャ馴れ馴れしく声をかけてきてくれた(笑)。故に、今に至るんですけど。LOFTって怖いイメージだったんですよ、それが怖くないんだなっていう(笑)。あとは樋口(寛子)さんの親身さですね、それが嬉しくて。僕のマネージャーともメチャクチャ仲良くなったりしてて。でも、LOFTに対してはまだ、“憧れ”と言うか…僕はまだLOFTを埋めたことがないのがあって、追いつけてない場所っていう感覚がずっとあって。

──そんな新宿LOFTで昨年、『aufgießer』と冠したイベントをLOFTと共催で初開催しましたよね。振り返って1回目はいかがでしたか?

meiyo:メチャクチャ楽しかったです。僕がLOFTにお客さんとして見に行ったこともあるSAKANAMONと、LOFTで出会ったメメタァと。どっちの音楽もただただ好きでどっちも聴いてるし、2組ともロフトのイメージがあるので、LOFTでやることができて良かったですね。(対バン後に)SAKANAMONから“一緒に曲を作りましょう”ってオファーをいただいたり(SAKANAMON「4696 feat.meiyo」/2023)、メメタァは今年2月の『メメフェス』に誘ってくれて。2組とも繋がれて、いいイベントでしたね。

──イベント後もストーリーが繋がってるのが良いですよね。そして最後、フロントマン全員がステージに上がってコラボレーションしたのもとても良かったです!

meiyo:ラップをしてもらったりね(笑)、確かにあれは良かったなぁ。今回もできるかなぁ?

自分が一番輝いているのは、今だから。今の僕がベストだと思えるものを全力で見せるライブをする

──では、今回が2回目の開催となる『aufgießer 2nd set』のお話を。まず出演される方々というのは?

meiyo:僕は赤い公園がアーティストとしてKANさんや奥田民生さんに並ぶぐらい好きなんですけど、Aoooは赤い公園のボーカルだった石野理子さんがメインボーカルで。さらにツミキさん(Dr)、すりぃさん(Gt)はどちらも有名なボカロPで、インターネットシーンでめちゃくちゃカッコいい曲を書く人たちですけど、ライブも精力的にやってる部分にシンパシー感じていますし、やまもとひかるさんは著名なアーティストのサポートなんかもしている歌うベーシストで、カッコいいんです。僕はTikTokがデビューに繋がったところが結構あるんですけど、そういう面でも親和性が高いかなと思って一緒にやれたら良いなと思っていたら今回、出ていただけることになりました。そしてONIGAWARAは、樋口さんのほうからお話をいただいて。

──樋口さんにもお話を伺いましょうか。

樋口:昨年、ONIGAWARAの周年イベントがLOFTであったのでライブを見た時、ONIGAWARAが持っているポップスのセンスが、今のmeiyoくんに通じるところが私にはあって。逆に、meiyoくんが表現しているポップスがONIGAWARAにも良い刺激を与えるんじゃないのかな、って思ったんですよ。そこで相乗効果が両者ともに生まれるんじゃないかな、面白いんじゃないかなと思ってご提案をさせてもらいました。そしたらmeiyoくんもONIGAWARAも“是非是非!”って。

──まさに“共催”ですね!

meiyo:まさしくそうですね。僕はそれこそONIGAWARAも確か新宿LOFTで見たことがあって、ライブもメチャクチャ良かったんですよ。さかのぼって随分前に僕、(竹内)サティフォさんともちょっとした繋がりがあるんです…っていう話は、ライブ当日にMCで話すかもです(笑)。

──とにもかくにも、他では見られない組み合わせと思います。

meiyo:確かに。僕の曲をちょっとしか知らない人でもONIGAWARAが好きだったら“通じる部分があるね”って思ってもらえるかもしれないし、TikTokでバズってる曲っていうAoooとのつながりもあるし、“meiyoはずっと赤い公園好きってずっと言ってたし一緒にライブやれて良かったね”って(SNS等で)書いてくれてる人もいましたし。僕的には、嬉しい3組での1日ですね。

──ではそんなこの日、meiyoとしてはどんなライブを見せてくれますか?

meiyo:10年前から赤い公園が好きだとかONIGAWARAをLOFTで見たこととかを振り返ると昔の曲をやりたいなっていう気持ちにもなるんですけど、でも結局、自分が輝いているのは今なので。パフォーマンスとしては今の僕が、これまでライブをやってきた中で一番良いなと思える、僕がベストだなと思えるものを全力で見せる。“meiyoのライブは楽しいぞ”って伝えられるようなライブにできたら良いなと思ってます。その上で、昔の話を打ち上げでできるようにしたいなと(笑)。

──“自分が輝いているのは今”、素敵です。今のmeiyoをたくさん感じさせてもらえるのを楽しみにしていますね。去年、イベントのライブレポートを書いた際に“meiyoは白シャツが似合う”といったことを書いたらSNS上で共感してくださった方が結構いらして!(笑)

meiyo:最近はね〜、白シャツはあまり着なくなっちゃって(笑)柄物寄りになってるんですよ。タイムリーな話ですけど、数日前に「パーソナルカラー診断」をしてもらったんですね、そしたら“ブルベ夏”っていう診断で。ブルーベースで夏っぽい色が似合うってことなんですけど、白いシャツとかの清潔感みたいなものが合う肌や目の色とか、外見をしてるってことなんですよね。だからあのときに着ていた白シャツは似合う要素はあったってことですよね。僕はからし色が好きでちょっと前までからし色をよく着てたんですけど、肌の色と合わせたとき、くすむらしくて。好きだけどからし色は似合わないんだそうです(笑)。確かに白シャツ、良いかもしれないな。ロフトは照明とかで映えるステージなので、照明が赤だと白シャツは赤になるし。いろんな曲をやっているカメレオン的な音楽家だと自分では思ってるので、その感じにも合うのかな。

──当日の衣装も楽しみにしてますし、最近リリースもあったばかりですよね(4月14日リリースのシングル「HOPE! HOPE! HOPE!」)。ミュージックビデオも最高でした!

meiyo:僕が学校の先生役で、リアルに8年ぐらい働いてそうな雰囲気ですよね(一同笑)。それこそメジャーデビューする前から“官僚みたいな雰囲気があるよね”ってずっと言われてたので(笑)。

──この曲はアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』エンディング主題歌にもなっています。

meiyo:シンカリオンって新幹線変形ロボのお話で、新幹線・のぞみをテーマに考えながら、まず疾走感があって希望について歌う、そこに、いろんな要素を足していく作り方をしてできた曲ですね。

──特に“劣等の実感に外傷はないが その痛みで6弦が鳴り響いた!”って歌詞がすごく良くて。

meiyo:やったー、ありがとうございます。まさしく音楽をやっている理由、みたいな感じのところを入れたところもあって。しかも“6弦が鳴り響いた!”の後にギターソロが来るっていう(笑)。そのギターソロの部分で声がかき消されてるんですけど、そこは聴く皆さんの考えでそれぞれが補完してくれれば良いな、っていう音楽遊びですね。

──この曲も聴けたら良いなと思いつつ、最後に『aufgießer 2nd set』への意気込みなどお願いします!

meiyo:いろんな人がいろんな思いで集まるアツい場所です。大はしゃぎしてスッキリしたい、音にまみれたい、後ろで静観したい、目を閉じて自分の世界に潜り込みたい、いろいろな楽しみ方があります。誰に見られてるわけでもないので、その心の真ん中はタオルで隠さなくて大丈夫です。ステージからの熱波が凄いと思うので疲れたら水分補給! 節度を持って楽しみましょう。よいととのいを〜。って、サウナとかけようとしましたが、無理矢理すぎました?(一同笑)

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