大規模修理に向け 興福寺五重塔 素屋根工事公開

奈良市の興福寺で五重塔の大規模修理に向け、塔を覆う素屋根の建設工事が現在行われており、16日その様子が報道陣に公開されました。

興福寺の国宝・五重塔は730年、光明皇后の発願による創建とされ、明治時代以来約120年ぶりとなる大規模修理に向け工事用の覆屋「素屋根」の建設が行われています。

素屋根は、天候に左右されず安定的に工事を進めるために建設されるもので、現在は下から2層目を組み立てています。16日は、大型クレーンを使い素屋根を支える高さ8.5メートルの鉄製の柱を立てる作業が行われました。

このあと徐々に高い位置まで覆っていくことになり、素屋根の完成は2024年度中を目指しているということです。約60メートルの素屋根が完成すれば五重塔がすっぽり覆われ、当面の間見えなくなります。

参拝者は―

「昔の五重塔を新しくするというところもあって希望も感じるし、いい印象を受けることができました」

「全体が見えないのはちょっと残念ですけど、また修理が終わったあと、きれいな姿で拝観できるのを楽しみにしています」

興福寺執事長 辻明俊さん

「素屋根の中で先人の歴史や技術・文化をつなぐ大きな仕事を行いますので、素屋根がかかったからこそ、その姿みなさんわくわく想像して見に来ていただきたいと思っています。」

素屋根の完成後に進められる本格的な修理工事は、屋根瓦の葺き替えや傷んだ飾り部分の補修が中心になり、2030年度中に完了予定ということです。

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