「大型連休は毎回旅行をする」という20代の知人。20代って「高年収」なのでしょうか?

20代の平均年収

まずは、20代の平均年収を見てみましょう。

国税庁長官官房企画課の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、20代の平均年収は表1の通りです。

表1

※国税庁長官官房企画課「令和4年分 民間給与実態統計調査」を基に筆者作成

表1を見てみると、20代の前半と後半によっても平均年収には差が見られます。

男女計のデータの場合、20代後半は前半に比べて116万円も平均年収が高くなっていることが分かります。

20代の平均年収のうち、どのくらい旅費に充てられるのか

20代の平均年収が分かったところで、実際に旅行するとなると収入からどのくらいの費用を使えるのか気になる方もいるでしょう。

総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2023年)」に、20代を対象としたデータではないものの、34歳以下を対象とした支出に関するデータがあります。

34歳以下の単身世帯における平均支出(消費支出)は、月に17万281円とのことです。

年間にしておよそ204万3372円になります。

参考までに、20代の方の支出額が今回の34歳以下のデータと同額と仮定し、前述した20代の平均年収(男女計)から上記の支出(約200万円とする)を差し引いてみました。

結果残るお金は以下の通りです。

__・20~24歳:約73万円

・25~29歳:約189万円__

どこに旅行に行くか、旅行にいくら使うかによっても変わりますが、上記のお金があれば年に数回旅行することも可能でしょう。

年収と旅行の頻度は比例するのか?

20代の平均年収でも、年に数回旅行することは可能だと分かりました。

最後に、アウトドア総合情報サイト「TAKIBI」の運営を行う株式会社フォーイットが実施したアンケートを基に、旅行の頻度を世帯年収別に比較したものを表2にまとめました。

総年代ではありますが、参考にしてみてください。

表2

※株式会社フォーイット「旅行の頻度に関するアンケート」を基に筆者作成

年収増加に伴って、1年間に旅行に行く回数が増える人が多くなる傾向があることが分かります。

ただし、年収1000万円を超えていても「たまに旅行をする」や「旅行はしない」と答えている人が一定数いることや、年収500万円以下でも「毎年3回以上旅行をする」と答えた人が約1割いることを考えると、年収と旅行頻度が必ずしも比例するとは一概にいえません。

20代の平均年収は273~389万円|「高収入だから毎年旅行に行く」とは一概にはいえない

20代の知人が「大型連休に必ず旅行に行く」と聞いて、それだけ高収入なのか気になる方もいるでしょう。

実際に20代の平均年収は273~389万円であり、同じ20代でも前半と後半では年収に差があることが分かりました。

上記の年収から、平均支出を差し引くと70~190万円近くのお金が残る可能性があることから、20代でも旅行先や日々の支出によっては年に数回旅行するのも可能でしょう。

また、年収に伴って1年間の旅行回数が増える傾向にあることも分かりました。

しかし、年収が少なくてもよく旅行に行く人や高収入でもあまり旅行に行かないという人もいるため、一概に「収入が高いから旅行に行く」とはいえないでしょう。

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与 [年齢階層別の平均給与](第14図)年齢階層別の平均給与(21ページ)
総務省統計局 e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 2023年 単身世帯 表番号2 男女,年齢階級別
株式会社フォーイット TAKIBI 毎年1回以上旅行をする人は「43.0%」!未婚・既婚で14.8%の差が出る結果に【旅行の頻度に関するアンケート】

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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