英国が香港官僚を国安法違反で逮捕

英国メディアは、外国干渉罪と香港諜報機関への支援の疑いで3人の男が英国国家安全法違反で起訴され、そのうちの1人はロンドンにある香港経済貿易弁事処のエグゼクティブマネジャーである袁松彪氏だと報じた。5月14日付香港各紙によると、3人は5月1日に逮捕され、現地時間13日朝にウエストミンスター裁判所で夜間外出禁止と海外渡航禁止を条件として保釈が認められた。特区政府は13日夜に声明を発表し、「英国側に対し、この事件を公正に処理し、関与したと主張する経済貿易弁事処のエグゼクティブマネジャーの正当な権利と利益を保護し、経済貿易弁事処の通常業務は影響を受けないことを確保するよう厳しく求めている」と述べた。特区政府は声明の中で、在英国中国大使館がこの件に関して声明を発表し、英国側に厳重な申し入れを行い、英国政府に対し関連情報と疑惑の詳細を提供するよう要請したと述べた。

声明ではまた、ロンドンにある香港経済貿易弁事処の職責は、香港と地元の協力を強化するために、地方政府、ビジネス界、シンクタンク、さまざまな分野の人々との緊密な連絡を維持することであると指摘。貿易、投資、芸術、文化交流などのさまざまな分野での協力を促進し、地元の人々や企業の香港独自の利点への理解を深め、香港の経済貿易利益を促進すると説明した。

捜査はロンドン警察テロ対策司令部の職員によって開始され、北東部と南東部のテロ対策警察の支援を受けた。 警察は5月1日、英国のヨークシャー地方で男性8人と女性1人を逮捕し、翌日にはロンドンでも別の男を逮捕した。 警察によると、このうち男性3人は英国国家安全法違反の疑いで起訴され、不起訴となった残りの男性7人と女性1人は10日以前に釈放された。

全国香港マカオ研究会の劉兆佳・顧問は、事件について判断するには英国当局がどのような証拠を提示するかにかかっているが、特区政府には英国の防衛およびその他の機密を探るために人を派遣する理由はないと述べた。可能性の1つとして考えられるのは海外の「反中乱港分子」の動向を把握するためだが、「英国の国家安全保障には影響しない。反中乱港分子は香港と中国をターゲットにしている」と述べ、スパイ罪は重大な容疑であり、英国当局の証拠次第では中国と英国の間で外交上の問題が生じるとの見方を示した。

© HKP