カンザキイオリの小説『あの夏が飽和する。 』文庫化決定 梶裕貴らが朗読する完全版単行本も刊行

アーティスト/音楽家/ボカロPとして多方面で活躍するカンザキイオリさんの小説家デビュー作『あの夏が飽和する。』が、河出書房新社より文庫化されることが決定した。

価格は858円(税込)、発売日は6月27日(木)。

さらに文庫化を記念して、オーディオブックも制作。声優の入野自由さん、茅野愛衣さん、梶裕貴さん、そしてカンザキイオリさん自らが熱演した朗読を収録した完全版単行本『あの夏が飽和する。―全文朗読付き完全版―』及びAudible版『あの夏が飽和する。』も、文庫版と同時発売される。

累計27万部突破の金字塔──『あの夏が飽和する。』とは?

小説『あの夏が飽和する。』は、音楽家として活動してきたカンザキイオリさんの小説家デビュー作品。限定発売した初の長編小説『獣』を改稿・改題する形で2020年9月18日に刊行された。

ボーカロイドを用いた作曲や、バーチャルシンガー・花譜さんの多くの楽曲を手がけるなど、アーティストとしてもヒット曲を連発してきた著者。

カンザキイオリさん初の本格サスペンス小説であり、自身の楽曲「あの夏が飽和する。」の13年後に起きた、新たな恋と逃避行の物語となっている。

単行本の刊行直後から、完売店が続出。緊急重版が何度も行われ、累計27万部を突破するなど、音楽シーンだけでなく、小説・出版業界にとっても大きな衝撃をもたらした。

著者・カンザキイオリさんからのメッセージ

本当にありがたいご縁の連続で、この度「あの夏が飽和する。」がなんと、 文庫化、そして朗読プロジェクトが動き出すこととなりました。 また皆様の目に、耳に、新たな形でこの作品が届けられることは、とても光栄です。 憎くてたまらない、殺したい、寂しい、解放されたい、消えたい、というスイッチは心の中に無数に存在していて、簡単にONとOFFを切り替えられるものです。意図せず足を踏み外したり、少し休憩するために手を置いたところに。間違えて押してしまうかもしれない。 誰にだって、どんなこともできてしまう。誰だって悪人になれるし、誰だって善人にもなれる。 再び、この小説が、あなたの心のスイッチを押す、一つの判断材料になれば、悔いはありません。

朗読で熱演を披露、声優陣からのメッセージも

入野自由さんのコメント

声優3人、そしてカンザキ先生ご本人による朗読という新たな形での朗読化、どんな作品に仕上がるのだろうと思っていました。
真っ直ぐで、痛くって、正直で、苦しいこの作品を、どこまで朗読として立ち上げられるのか…大きな挑戦だとも思いました。
収録を終えた今は手応えを感じています。改めて声に出して読むことで、この作品の より深いところに届いたからです。
小説を「読んでいた」方も、「聞く」ことで新たな発見、新たな感覚を刺激されるはずです。
この作品が、この朗読化を通して沢山の方に届きますように。

茅野愛衣さんのコメント

はーーーっと深呼吸したくなるくらい、あの夏の世界にどっぷり浸かり、心地良い疲れと達成感に満ちています…
今回はラストシーンだけでなく、それぞれの登場人物の視点から全編朗読していくという事もあって、より瑠花に感情移入出来たように思います。
またこうして彼女達を演じられて嬉しかったですし、光栄でした。
この朗読を通して、カンザキさんの世界がもっともっと沢山の方に広がってゆく事を願っています。

梶裕貴さんのコメント

原作を読んで苦しかった。
朗読をして苦しかった。
武命とともに声を枯らし、心を重ね、憔悴しながら演じきりました。

武命とは「武勇の心を持って、必死に生き抜ける命」の名前。
彼はそういう強さを持っている人です。
どうか、その姿を最後まで見届けてあげてください。

この苦しみが届くべき人に届き、その人の苦しみを、少しでも解放してあげることができたなら。
それ以上に幸せなことはありません。

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