よこはま花と緑スプリングフェア 牧野造園が市長賞 立体デザインに高評価 横浜市都筑区

2つの輪が立つデザインが印象的な作品

山下公園で開催されていた「第46回よこはま花と緑のスプリングフェア2024」の花壇展で、株式会社牧野造園=佐江戸町2257=が最優秀となる横浜市長賞を受賞した。同社の市長賞受賞は初めて。

2つの輪

花壇展は、横浜市の「花いっぱい運動」の一環として、1963年に始まった。今年で61回目。出展には(一社)横浜市造園協会が協力しており、今回は同会の会員企業や横浜農業協同組合が参加。21区画の花壇を整備した。

牧野造園の作品タイトルは「ふたつのロンド〜STARSONEARTH〜」。2つの大きな輪が印象的な作品。同社のデザイナー・楠井美寛さんは「輪を取り入れてほしい」という牧野玲子専務の要望を取り入れ、輪が自立するデザインを書き起こした。

牧野幸太社長によると、楠井さんのデザインを形にするため、ステンレスで円形を作り、鉄板の上に溶接した。

スプリングフェアの期間は約3週間。花壇には潅水装置がなく、「空中に浮かんだ輪の上に花を植えることなどない」(楠井さん)ため、花を持たせる工夫が必要だった。楠井さんは花苗を水苔で包み、水苔が落ちないように麻のテープで巻き、輪の骨組みに鳥の巣のように巻き付けた枝の中に埋め込んで仕上げた。

SDGs意識

使った花は20種類ほど。SDGsの観点から、輪に巻き付けた枝は剪定枝を利用した。

市長賞受賞について牧野社長は「毎年クオリティーが高くなる中、賞をいただけて嬉しい」と喜んだ。また「異業種の専門家にお願いして土台を作成してもらい、大胆に飾り付けできた。苦労した甲斐があった」と協力に深謝した。

楠井さんも「自信はなかったが、輪が立体的に立っているところが評価されたのが嬉しかった」と笑顔。またデザイン通りの仕上がりに「社員皆のおかげ」と感謝した。

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