金融デジタル化、新たなリスクの源に バーゼル委員会が報告書

Huw Jones

[ロンドン 16日 ロイター] - バーゼル銀行監督委員会は16日公表した報告書で、金融のデジタル化や大手ハイテク企業の金融事業参入が、銀行システムの新たな脆弱性の原因となり、既存のリスクを増幅すると指摘、脆弱性やリスクを軽減するため新たなルールが必要になる可能性を明らかにした。

同委員会は(1)外部のハイテク企業が銀行の主要サービスをサポートするクラウドコンピューティングの普及、(2)人工知能(AI)の台頭、(3)分散型台帳技術(DLT)の利用、(4)外部のフィンテック企業が銀行と顧客データを共有するオープンバンキングの普及──が新たなリスクを生み出していると指摘。

こうした問題には「戦略リスクや風評リスクの増加、銀行のオペレーショナル・リスクやオペレーショナル・レジリエンスが試される要因の範囲の拡大、相互接続の増加に伴うシステム全体の潜在的リスクが含まれ得る」との見解を表明した。

銀行が利用する外部事業者は銀行と同レベルの監督基準が適用されない可能性があり「新たなチャネルノードと相互接続ノード」を生み出すと指摘。「必要であれば、リスクや脆弱性を軽減するため、追加的な基準やガイダンスが必要かどうか検討する」とした。

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