『警部補・古畑任三郎』地上波で全話一挙放送へ “神回”視聴率ランキング

あの古畑が帰ってくる。

フジテレビが、人気ドラマシリーズ『警部補・古畑任三郎』の第1話放送から30周年を記念して、24日から連続ドラマ3シリーズとスペシャルドラマ4本を放送する。同局平日午後の「ハッピーアワー」枠での放送となる。

『古畑任三郎』シリーズは、2021年に亡くなった俳優・田村正和が主人公・古畑任三郎を演じた人気ミステリードラマ。先に犯人を明かして、謎解きの経緯を楽しむという、いわゆる“倒叙型ミステリー”と呼ばれる手法を採用し、30年たった今でも「古畑みたいな作り」と例に出されるほどの有名ドラマだ。

また、田村が演じた古畑の独特なキャラクターも記憶に新しいところ。こちらも今でも数多くのタレントやお笑い芸人がモノマネをすることで語り継がれている、日本のドラマ史上に残る偉大なキャラクターとなっている。

今回は、そんなドラマ『警部補・古畑任三郎』の放送当時の世帯視聴率をランキング形式で振り返りたい。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

■10位「間違われた男」26.5%

96年3月6日、第2シーズンで放送された風間杜夫がゲストの回。雑誌編集者(風間)が妻の不倫相手を山中の別荘で殺害。密室を作って車で逃亡する。しかし、逃亡中に車のタイヤがパンクしたことを発端として、さらなる殺人事件が起こる。

■9位「偽善の報酬」26.6%

96年2月7日放送、第2シーズンの加藤治子ゲスト回。海辺の自宅で仕事をしている女性脚本家(加藤)が、マネジメントを担当している妹を口論の末に殺害。年老いた女性が人を殺せるほどの凶器はなんなのかを古畑が推理する、いわゆる“凶器当て”の回。

■8位「ニューヨークでの出来事」26.9%

96年3月13日放送、第2シーズンの最終回となった鈴木保奈美のゲスト回。アメリカを訪れた古畑が現地の高速バスで出会った、のり子・ケンドール(鈴木)が過去に起こした完全犯罪を古畑が推理する会話劇。実際に事件を解決するわけではない珍しい回となっている。

■7位「フェアな殺人者」27.0%

06年1月4日のお正月スペシャル回。ゲストに現役メジャーリーガーだったイチローを迎えたことで放送前から話題を呼んだ。ゲストに大物を迎えることでも人気だった『古畑』シリーズの中でも、世界的な野球選手を“殺人者”にするという大胆な企画だった。

■5位(同率)「再会」27.8%

99年5月11日に放送された第3シーズンの津川雅彦ゲスト回。古畑の友人である小説家(津川)が立てた殺害計画を知り、古畑が殺人を未然に防ごうとする異色回。古畑という人物の人間味が際立った名作となっている。

■5位(同率)「魔術師の選択」27.8%

96年2月28日放送の山城新伍ゲスト回。元マジシャンの男(山城)が手品のトリックを使い、自殺に見せかけて被害者を殺害する。凝ったトリックが数多くみられる『古畑』の中でも、謎解きのおもしろさに特化した回となっている。

■4位「最も危険なゲーム」28.3%

99年6月22日、第3シリーズの江口洋介回、前後編の後編であり、第3シリーズの最終回となった。動物愛護団体のリーダーを装いながらテロを計画している男(江口)と古畑が直接対決する。最終回にふさわしいスケール感のある回だ。

■3位「ラスト・ダンス」29.6%

06年1月5日のお正月スペシャル。ゲストの松嶋菜々子が双子の姉妹を1人2役で演じている。倒叙型でありながら犯人が最後までわからないという、挑戦的なミステリーとなっている。また、この回は古畑の恋愛観が語られる珍しい回でもあった。

■2位「古畑任三郎 vs SMAP」32.3%

99年1月3日のお正月スペシャル。トップアイドルグループSMAPが本人役で出演している。アバンタイトルの「5本の矢」のシーンも含め、多くの『古畑』ファンの記憶に残る回。SMAPメンバーそれぞれの個性が組み込まれた脚本はファンからも絶賛された。

■1位「しばしのお別れ」34.4%

96年3月27日放送のスペシャル回で、ゲストは山口智子。スペシャルとはいえ、鈴木保奈美の第2シーズン最終回からわずか2週間後の放送という、異例のスケジュールとなった。『古畑』シリーズの中では王道的な“アリバイ崩し”回だが、華道家を演じた山口智子のスター性もあいまって高視聴率を獲得した。

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放送開始当初は知名度が低く、今回のランキングは第2シーズン以降の作品が並んだが、第1シーズンにも第1話の中森明菜、4話の笑福亭鶴瓶、11話の桃井かおりを筆頭に名作がそろっている。むしろ純粋なミステリーとしての完成度は第1シーズンのほうが高いという『古畑』ファンも少なくない。

いずれにしろ、そのすべての回が再放送されるのだ。24日までに、録画用のハードディスクを新調しておかなくてはならない。

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