子どものスマホで不倫が発覚!? ダメ夫の「不倫相手」と全面対決した妻

近年、不倫の「即バレ」が増えています。今までは不倫をした日と、見つかる日の間には数ヵ月の時間差がありました。具体的には興信所に依頼して証拠が見つかるまで、不倫のデート代がクレジットカードで決済されるまで、そして人から人へ数珠繋ぎで不倫の噂が耳に入るまでは猶予があったのです。

しかし、最近はどうでしょうか?例えば、スマホの通知機能、顔認証によるロック解除機能、クラウドサービスの同期機能などにより、時間差はどんどん縮っています。不倫をすれば、すぐに発覚するのです。

つまり、その不倫は過去ではなく現在進行形。不倫が即バレした場合、その配偶者は「即断」をしなければならないので大変です。具体的には不倫の事実を話すのか話さないのか、不倫の相手に連絡をとるのかとらないのか、そして離婚するのかしないのか。

今回は行政書士、ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっている筆者の元に相談にきた山下小梢さん(36歳/仮名)の、思いがけず夫の不倫が発覚したエピソードを紹介します。

夫のスマホの「ある異変」

小梢さんは夫(35歳)、そして9歳の娘さんと暮らしており、一見すると絵に描いたような幸せな家庭そのもの。しかし、実際には家庭崩壊の危機に直面していたのです。

夫は神経質な性格。勤務先の会社に馴染めず、調子を崩すと「死にたい」と言って欠勤することも多く、すでに六回も転職を繰り返しています。

そんな夫が最近、いつも機嫌が良く、家庭内は平和を保っていたのです。しかし小梢さんは逆に「何かおかしい」と勘付いたようで…。きっかけは夫のスマホでした。

ホーム画面にLINEのメッセージや電話の着信があったことが通知されるのですが、小梢さんが目にするとき、送信主はいつも「A社総務部」。夫はA社からB社へ転職したばかり。夫は「保険とか年金とか、それから退職金のこととかあるから」と言うのですが、転職から3ヵ月が経過しても、相変わらず「A社総務部」からの通知が続いたのです。

小梢さんは「なぜだろう」と首をかしげるばかりでした。着信履歴を確認すると20時~21時の時間帯に着信が残っており、電話番号は会社の固定電話にもかかわらず、市外局番ではなく「090」から始まる携帯。夫は「会社から支給されている携帯の番号だ。担当がその携帯からかけてきたんだ」と説明しますが、おかしな出来事はそれだけではありませんでした。

娘のスマホに女性とのツーショット写真が

娘さんのスマホにおかしな写真が届いたのです。それは夫と見知らぬ女性のツーショットでした。夫は娘さんに機種変更した後の古い機種を渡していました。オンラインストレージに写真を同期しているのですが、小梢さんではなく夫のアカウントが娘さんのスマホと紐付けられた様子。つまり、娘さんの写真フォルダに表示されたのは夫が保存した写真です。

ショックを受けた娘さんが小梢さんに泣きついてきたことで発覚。小梢さんが「これは何なの?」と詰め寄ると、夫は「前の会社の送別会だろ?これで最後だから、一人一人と写真を撮ったんだ。何が悪い?」と開き直ったのです。

しかし、同期されてきたのはその女性の写真のみ。他の同僚とのツーショットがなかったので小梢さんの猜疑心は強まっていきます。その女性以外の同僚とのツーショット写真は同期されませんでした。

不審な送信元に直接問い詰めると不倫が発覚!

小梢さんはついに我慢の限界に達し、「A社総務部」からの着信に対し、夫のスマホを取り上げ、「どちら様ですか?」と相手先に尋ねたのです。本当に電話の主が「A社総務部」なら、そう答えるでしょう。しかし、相手先は「アッ」と咄嗟に一言、発しただけで、それ以降は無言のままでした。

小梢さんは電話を切ると、夫に対して「これは誰なのよ!」と詰問。夫いわく相手はA社総務部ではなく、新しい会社に勤める同僚の女性。仕事を教えてもらっている間に意気投合。仕事終わりに飲みに行く仲となり、帰宅する前にホテルに立ち寄り、数回、体の関係を持ったことを白状したのです。

呼び出した夫の不倫相手の言い訳にブチギレる妻

もし、小梢さんが夫の不倫を許さず、離婚するつもりなら、二人の関係を「どうぞお好きに」と野放しにしても良いですが、離婚しないのなら話は別です。「まだ続いているかも」と心配しながら結婚生活を続けるのは精神的に無理です。

転職を繰り返す夫とはいえ、年収は400万円。パートタイマーの小梢さんにとって、娘さんを育てるには夫からの生活費が必要です。また娘さんから父親を奪いたくないという気持ちもありました。いろいろなことを考え、夫とやり直す道を選んだのですが、不倫は連帯責任です。

意思の弱い夫がいつ、女性とよりを戻すか分かりません。何より女性本人と話をしたいと気が済みません。そこで夫に「許してあげるんだから手伝いなさい」と言い、女性をいつもの居酒屋に呼び出すことを協力させたのです。そこで尻尾を捕まえる作戦です。

居酒屋に現れた小梢さんに女性は「ヤバッ」と気付くも逃げきれず、小梢さんは直談判に持ち込むことに成功しました。

そこで女性が自ら謝り、反省すれば良かったのですが、彼女の第一声は謝罪ではなく自己弁護。「旦那さんにしつこく誘われて断れなかったんです!」という言葉に小梢さんは激怒。「しつこく誘われても断れば良かったんじゃないの?」と一蹴した上で「悪いと思っていないですね?あなたのせいでうちの家庭はめちゃくちゃですよ!分かっていますか?」と投げかけたのです。

しかし、女性は「旦那さんに家庭があるなんて知らなかったんです」と、また逃げの一手を放ったのです。夫は入社時に自己紹介をしているはず。そのため、小梢さんは「同じ会社なのに結婚しているかどうか分からないなんておかしいでしょう」と否定したのです。

不倫相手と誓約書を交わしスマホ内の情報も全て削除

しかし、今度は女性が「私に会社を辞めろって言うんですか?それじゃ、生活できないので困ります!」と逆ギレ。夫は入社してから1年未満。一方の女性は10年以上。長い間、働いた会社を退職したくないと言うのです。

そこで小梢さんは「辞めるのはあなたではなく主人です」と言い、誓約書を提示。夫は就活のとき、もう一社から内定をもらっており、そちらに転職する手はずになっていました。誓約書とは社内、社外を問わず、夫と一切、連絡を取らないという内容です。

女性の不誠実な態度を考えると、誓約書に一筆を書かせるだけでは不十分。なぜなら誓約書を守らない可能性もあるからです。

そこでお互いのスマホから相手の連絡先(携帯番号、メールアドレスなど)を削除した上でLINEやフェイスブック上の友達から削除、さらに夫が入社してから保存した写真をすべて削除させたのです。これでようやく夫のスマホに「A社総務部」から電話がかかってこないようになりました。

ここまでは小梢さんが夫の不倫の後始末をするまでの苦労について紹介してきました。夫婦間の約束は夫婦間のみで有効です。一方、相手の女性に対して効力は及びません。これでは女性が夫を誘うことを防ぐことはできません。そのため、妻と女性との間で約束を交わす必要があります。

なお、小梢さんは夫のことを完全に許したわけではないそう。娘さんは現在、9歳。11年間に限り、一度は裏切った夫と仮面夫婦を続け、娘さんの成長を待ち、「11年後には離婚します!」と力強く語ってくれました。

(ハピママ*/ 露木 幸彦)

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