「国民なめ腐ってる」自民党「パー券10万円で公開」一点突破作戦…“裏金” 議員からは「もうけじめは終わった」の無反省発言

5月15日、政治資金規正法に関する協議に臨む自民、公明両党の実務者

5月15日、政治資金規正法改正案をめぐる自民、公明両党の実務者協議は、事実上、決裂した。

焦点の一つであるパーティー券購入者の公開基準をめぐり、自民は現在の「20万円超」から「10万円超」に引き下げる条文案を提示。通常の寄付と同じ「5万円超」への引き下げを強く主張した公明に譲歩しなかった。

「パーティー収入は政治活動を支える重要な資金源です。公開基準を『5万円超』に引き下げれば、1枚2万円が相場のパーティー券を3枚購入すれば、名前が公表されることとなる。これでは、パーティー券の購入額を大幅に減らす支持者も出てくるでしょう。

ただ、今回の規正法改正の論議は、自民党の政治資金パーティー裏金事件を受け、世論の批判を受けて始まったもの。

12日のNHK『日曜討論』では、自民党政治刷新本部座長の鈴木馨祐議員が、『再発防止の話と、自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっている』と発言し、『それだけ不透明な資金に支えられてきた証』と立憲の泉健太代表に突っ込まれていました。

また、14日には、衆議院の政治倫理審査会で、裏金に関わってまだ弁明していない議員44人を審査対象にすると決まりました。しかし、その対象者である衛藤征士郎氏は、『けじめは終わっているんじゃないかと思ってますけどね』と、まるで反省のない発言をしています。

このように、裏金事件の全容解明に消極的なだけでなく、再発防止についても後ろ向きな姿勢が目立っています」(政治担当記者)

16日、自民党は所属議員を対象とした会議を開き、議員60人ほどが参加。異論が出たものの、パーティー券購入者の公開基準を10万円超とする “一点突破” で条文案について了承したという。結果、自民が単独で17日に法案を提出する公算が大きくなった。

自民が「10万円超」の公開基準を譲らないことに対し、Xでは批判が殺到している。

《バカなの? と言うか、どこまで国民をバカにしているの?》

《そもそもなぜ『1円から公開』にしないのでしょうか。未だに抜け道を作るのに必死なようにしか見えません。そして、このまま『改革してる風』で何も変わらないのは理不尽です》

《ザル、抜け道。腐敗自民のいつもの手口。国民には1円単位まで申告させインボイスまで課しておきながら、自分達だけ特別扱い。国民舐め腐ってる》

共同通信が5月11~13日に実施した世論調査では、パーティー券購入者の公開基準額引き下げの詳細を詰めないまま自民、公明が合意した与党案でさえ、79.7%が「評価しない」と回答した。

岸田文雄首相は、6月23日に会期末を迎える今国会で規正法の改正案を成立させると明言している。だが、自民単独で提出する改正案に国民が納得すると思っているのだろうか。

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