清和友の会=サントス強制退去の跡地訪ね=日系社会遺産遺跡巡り、6月8日

来社した(左から)榎原さん、中沢会長、宮村さん

 清和友の会(中沢宏一会長)は6月8日(土)、ツアー企画「日系社会遺産遺跡巡り」を実施する。今回は1943年に起きたサントス強制退去事件の跡地を巡る。一般参加可能で、ツアー参加費は200レアル。中沢会長、榎原良一副会長、宮村秀光氏が15日に編集部を訪れ、参加を呼び掛けた。
 サントス強制退去事件は、第2次世界大戦中の1943年7月8日、伯国政府が、サンパウロ州サントス市に暮らす日本人移民とドイツ移民に対して24時間以内の市外退去を命じたことで発生した。約6500人の日本人移民が巻き込まれ、家財や土地を失った人、収容所に送られた人、家族と生き別れになった人などが多数出た。
 ツアー当日は午前7時にサンパウロ市リベルダーデ区の旧ニッケイ新聞社前に(Rua da Gloria, 332)にに集合し、午前7時15分にバスで出発。午後6時30分にリベルダーデに帰着予定だ。
 今回のツアーでは、日系移民ブラジル上陸記念碑、サントス日本人会、ヴァロンゴ鉄道駅を訪れる。
 サントス日本人会は1928年にサントス日本語学校として創設された。戦時中、ブラジル政府に施設を接収されたが、2018年7月に施設の完全返還がなされたという歴史的逸話を持つ。
 ヴァロンゴ鉄道駅は、市内から強制退去させられた日本人移民の多くが使用した駅だ。
 昼食の時間にはサントス強制退去事件についての説明が行われる。宮城あきらブラジル沖縄県人移民塾代表が日本語、中井貞夫(なかい・さだお)元サントス市議会議長(現サントス日本人会会長)がポルトガル語での講演を担当する。 サントス強制退去事件を特集した『群星 別冊』(ブラジル沖縄県人移民研究塾著、日ポ両語・2023年発行)の販売も50レアルで行われる。
 参加申し込み、詳細問い合わせは、宮村さん(電話11・98296・8834)、榎原副会長(11・9170・2280)まで。
 中沢会長は「サントス強制退去事件について、1世の人は勿論、2世、3世と老若男女問わず多くの人に知ってもらいたい。ぜひご参加を」と語った。

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