福田知事6選出馬へ調整 周囲に前向き意向伝える 今秋の栃木県知事選

福田富一知事

 今秋にも行われる栃木県知事選に、福田富一(ふくだとみかず)知事(70)が6選出馬へ最終調整を進めることが16日、複数の関係者への取材で分かった。立候補への前向きな意向を周囲に伝えた。支持者らの動向などを引き続き見極め、環境が整い次第、正式に表明するとみられる。

 これまで福田知事は進退に関して、5月下旬をめどに最終判断する意向を明らかにしていた。3月末に自身の後援会総連合会から出馬を要請されたが、福田知事は幅広い関係者の意見を聞いて進退を決めるとし、選挙戦に耐えられる体力や政策を準備できるかも判断材料とするとの考えを示していた。

 連合会の要請後、近い関係者と県政の課題などについて意見を交わすなどしたほか、知事選までの日程が迫る中で6選出馬への周囲の期待が一層高まり、出馬へ傾いたとみられる。

 2004年に知事に初当選して以降、当選を重ねて現在5期目。5期目終盤の23年末には一時、勇退して後進に道を譲る方針を固めたが、支持者から6選出馬への期待が高まり、1月ごろから続投か引退かを考えるようになったとしている。

 6選出馬は県政史上例がなく、仮に当選すれば最多回数を更新することになる。現在の当選5回は全国の現役知事でも最も多く、5人しかいない。

 12月の任期満了に伴う知事選を巡っては、立憲民主党県連と共産党県委員会がそれぞれ8月末をめどとして、独自候補の擁立作業を進めている。ただ現時点で具体的な候補者は挙がっていない。

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