観光、防災 拠点に期待 坂東PAハイウェイ・オアシス 茨城県内初、市整備へ

坂東PA開業前イベントで、市担当者らのハイウェイ・オアシスの説明に聞き入る来場ら=坂東市弓田

茨城県坂東市弓田の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)坂東パーキングエリア(PA)隣接地に、市が計画している県内初の「ハイウェイ・オアシス」に市民の期待が集まっている。観光や防災を担う都市公園となり、市は関係機関と整備を進める。PA開業前にはイベントが行われ、多くの住民が来場し関心を寄せた。市は「より良い公園となるよう整備を進めていきたい」としている。

■パネルに関心

「パーキングエリアが見学できると聞いて訪れた。計画されているハイウェイ・オアシスにも期待しており、今日はそれがどんなものか聞けて良かった」と、イベントに来場した会社員男性(41)は話した。

同PAは4月23日、圏央道内回り線で供用開始。同イベントはそれに先立つ形で、同20日に同所で開かれた。東日本高速道路(NEXCO東日本)と市が共催。地域住民がオープン前のPA内を見学した。隣接地に計画されているハイウェイ・オアシスに関するパネルも会場に掲示され、説明も行われた。

パネルにはハイウェイ・オアシスの整備方針や整備状況、イメージ図が示され、多くの来場者が担当者の説明に聞き入った。

■圏央道で初

ハイウェイ・オアシスは、高速道路のサービスエリア(SA)やPAと周辺の公園を一体化させた施設。物販コーナーや飲食店などを備え、高速道路と一般道のどちらからでも利用できる。関東には、北関東自動車道の壬生PAに連結する「みぶハイウェイパーク」(栃木県)、上信越自動車道の藤岡PAの「道の駅ららん藤岡」(群馬県)などがある。坂東で整備されれば、神奈川、東京、埼玉、茨城、千葉の5都県を結ぶ圏央道で初めてのハイウェイ・オアシスとなる。

坂東PAは、坂東インターチェンジ(IC)と常総ICの間にあり、江戸崎PA(茨城県稲敷市)-菖蒲PA(埼玉県久喜市)間約77キロの区間のほぼ中間地点に位置。ハイウェイ・オアシスの整備により、圏央道利用者の利便性向上と、地域住民による活用が期待される。

■広大な公園に

市によると、計画では坂東PA周辺の隣接地に広大な都市公園(約10ヘクタール)を誕生させる。市の魅力や情報発信、農業や商業の振興、防災など、それぞれの側面での拠点となる。

先行してPA隣接地にコンビニ店を年内にも整備し、PAや一般道からも利用できるようにする。そのほか、具体化はこれからだが、市内の農産物や特産品を扱う売店や飲食店、防災に対応する設備なども整備する方針。総事業費や完成時期などは未定だ。

木村敏文市長は「長い視点で見て地域のためになる施設にしていきたい」と話している。

坂東PAハイウェイ・オアシスのイメージ図(坂東市提供)

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