「試合を通してマルセイユを翻弄」伊東純也、“完璧なクロス”での決勝OG誘発で現地メディアからは最高評価!「無情」なドリブル突破への賛辞も

現地時間5月15日に行なわれたリーグアン第32節で、スタッド・ドゥ・ランス(以下ランス)はマルセイユを1-0で下した。

すでに欧州カップ出場権や残留の可能性もない中位(10位)にある中で、本拠地オーギュスト=ドロ-ヌにマルセイユを迎えた一戦は、ボールポゼッションやシュート数ではいずれも相手の約半分に止まったものの、33分にアウェーチームのオウンゴール(OG)という形で先制点を奪うと、最後までこれを守り切っている。

この場面で、右サイドを抜け出してクロスを入れ、マーシャル・ムネツィと競り合った相手DFシャンセル・ムベンバの自ゴールへの“シュート”を誘発したのは、試合を通してドリブル突破、クロスやパスによるチャンスメイク、そしてフィニッシュでも存在感を示した伊東純也だった。
90分間でボールタッチ48回、枠内シュート1回、パス27回(成功22回)、キーパス3回、ドリブル5回(成功4回)、空中戦2回(勝利1回)、タックル4回(成功2回)、ボールロスト3回、ファウル1回ということで、このスタッツからも攻守での奮闘ぶりが窺えるだろう。

クラブの公式サイトは、得点時の“アシスト”の他、16分に力強いドリブルでペナルティーエリア内に進入し、マーカーを細かいフェイントでかわしてから惜しいシュートを放った場面も紹介。また、同じく先発出場した中村敬斗が52分に巻いたシュートでゴールポストを叩いた決定機にも言及している。

現地メディアの報道では、スポーツ紙『L’EQUIPE』が、好守披露のGKイェバン・ディウフ、ムネツィとともに伊東を「決定的なトリオ」と称賛。「(伊東のクロスをムネツィが合わせて先制点を奪った)前節ブレスト戦(1-1)同様、2人はそれぞれの方法で決定的な働きを見せた。日本人選手は完璧なクロスを上げ、再びゴールをお膳立てした」と、その重要な働きを振り返った。 また日刊紙『LE FIGARO』も、「伊東とムネツィ、再び決定的な活躍」と見出しを打ち、「ブレスト戦(1-1)で唯一のゴールに関与した2選手が、再び活躍した。日本人選手はジンバブエ人選手にクロスを送ると、最終的には相手DFムベンバが自ゴールに流し込む形になった。ウインガーの伊東は試合を通じてマルセイユの選手たちを翻弄し、見事なパフォーマンスを披露した」と、賛辞を贈っている。

サッカー専門サイト『Made in FOOT』は、マン・オブ・ザ・マッチにはムネツィを選定したが、伊東については「良いクロスを入れた」と報じ、10点満点の採点ではチーム最高タイとなる「7」を付与。『SO FOOT』は伊東がゴールをお膳立てするも、オウンゴールということで「今季8回目のアシストにほんの少し届かず」と伝え、16分のドリブルからのシュートを「無情」と表現した。また同メディアは、中村についても前述の惜しいシュートを紹介する上で、「力をつけてきている」と評価している。
『maxifoot.fr』も同採点だが、こちらは「マン・オブ・ザ・マッチ」とし、「ランスにとっては何の意味もない試合? この夜に自身を示したいと考えていたウインガーにとって、そんなことは重要ではなかった。右サイドで、この日本人選手はマルセイユにとって本当に厄介な存在だった。ドリブルで多くの違いを生み出し、そのクロスはムベンバのオウンゴールを誘発した」と、優れた点を挙げた。

最後に、ランスの地元スポーツ専門サイト『sport club-reims.fr』は、序盤のドリブルシュートを「エリア内でソロプレーを披露し、GKパウ・ロペスを襲うシュートを放った」、決勝ゴールのお膳立てについては「完璧なクロスがムベンバを(オウンゴールに)追い込んだ」と伝え、90分間のプレーを受けて「伊東は抑えられない」と総括している。

構成●THE DIGEST編集部

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