中部整備局/南海トラフ地震の半島・沿岸初動戦略検討へ、関係機関連携し行動計画策定

中部地方整備局は、「南海トラフ地震(中部地方)における半島・沿岸初動戦略の検討会(仮称)」を6月をめどに設立する。能登半島地震では半島沿岸部の道路が被災し救援活動に時間を要した。このため、同様の半島部がある伊豆エリアと伊勢志摩・東紀州エリアを対象に即地的、具体的な総合啓開初動時オペレーションを作成する。検討会は中部整備局と関係県・市町で構成し、必要に応じて関係機関を追加する。
15日に開催した南海トラフ地震対策中部圏戦略会議で中部整備局が説明した。能登半島地震では被災地が山がちな半島で、三方を海に囲まれている。上下水道や電気、通信などのライフラインが被災し、半島沿岸部の国道249号へのアプローチの経路が少なく現地到達まで時間がかかった。中部地方も能登半島と同じような地形的特徴を持つリアス海岸をはじめとする半島があり、南海トラフ地震が発生すれば能登半島地震と同様の被害が想定される。
このため、人命救助と社会基盤の早期回復を目標に、関係機関と連携したインフラ行動計画を策定する。検討内容は▽連携する機関共通のタイムライン▽優先する施設の明確化▽行動計画ルールの策定。検討対象エリアは、能登半島の地形的特徴に類似し想定津波高さの大きい伊豆エリア(沼津市など7市6町)、伊勢志摩・東紀州エリア(伊勢市など5市7町)から検討を始める。陸路や海路でアプローチできない場合のリエゾン(現地情報連絡員)の派遣方法、市町の行政機能喪失などさまざまなケースを想定して検討を進めることになる。検討会は年2回程度の開催を予定している。

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