米、対中関税引き上げより開放的な貿易体制維持すべき=IMF

[ワシントン 16日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のコザック報道官は16日、米国は対中関税を大幅に引き上げるよりも、開放的な貿易体制を維持する方が得策だとし、米中両国は貿易摩擦の解決に向けて協力すべきと述べた。

バイデン米大統領は14日、電気自動車(EV)、半導体、医療用製品など中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると発表した。

コザック氏は定例記者会見で、バイデン氏が発表したような貿易制限は貿易と投資をゆがめ、サプライチェーン(供給網)を分断し、報復措置を引き起こす可能性があると指摘。「このような分断は世界経済にとって非常に大きな損失となる可能性がある」とした。

また、IMFが2023年に確認した世界の貿易制限は約3000件と19年の1000件から増加したと言及。地政学的ブロックの深刻な分断という最悪シナリオでは世界の経済生産が約7%減少する可能性があるとした。

コザック氏によると、ギータ・ゴピナート筆頭副専務理事が5月26日から29日に北京を訪問し、中国の経済政策に関するIMFの4条協議(年次経済審査)を巡り政府関係者と会談するという。ゴピナートは29日にIMFの中国に関する勧告について記者会見を行う予定。

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