行列覚悟!京都を代表する屈指の人気ラーメン店「本家第一旭」

他府県から見ると和食のイメージが強い京都だが、実はラーメン激戦地の一面を持つ。理由のひとつは学生が多い街という背景がある。それはさておき当地のラーメン事情を語る上で欠かせない店が存在する。京都駅から歩いてすぐの「本家第一旭」だ。今回は、周辺の散歩も兼ね、行列覚悟で食べに行った。

京都ラーメン事情を語る上で欠かせない「本家第一旭」

京都市内でラーメン店が多いエリアと言えば、左京区一乗寺。京都大学吉田キャンパスから近く、学生向けの下宿が多かったため集積したと言われる。市中心部と比べて賃料が安く、物件を確保しやすいなど飲食店開業しやすい条件が整っていたという要因もあるだろう。

同エリアには多数のラーメン店が軒を連ねている。中でも東大路通沿いには、一定間隔で見られ、車で少し走るとすぐに激戦地であることを実感できる。なお京都発祥の有名チェーン「天下一品」、また2023年12月、東京証券取引所スタンダード市場へ上場した「魁力屋」が創業したのもこのエリアである。

さて、そんな京都のラーメン事情を語る上で欠かせない店がある。それは「本家第一旭」。「京都」駅から徒歩すぐの好立地で連日、多くのお客が来る人気店だ。

同店の創業は1947年と、京都のラーメン店の中では古参の部類に入る。スープの特徴は、豚骨をベースにしたしょうゆ味である。

豚骨といえば、福岡・博多で食べられる「とんこつ」を思い出す人も多いはずだ。しかし博多は白湯(パイタン)スープである一方、本家第一旭では白濁前の澄んだスープを使っている点で違う。京都には同系統のラーメンがあるが、同店は代表格のひとつ。ラーメン事情を語る上で欠かせないと書いたのは、そのような理由がある。

京都駅をスタート地点として現地へ向かう。駅前のバス停には長蛇の列ができていた
駅前に立っている京都タワー

では早速、京都駅をスタート地点として散歩しながら現地へ向かう。駅前のバスターミナルは大混雑している。とくに清水寺や祇園といった有名な観光地へ向かうバス停は長蛇の行列だ。

「京都」駅中央口を背に、北へ進むと見えるのは京都タワー。京都駅から出る鉄道にはJR、京都市営地下鉄、近畿日本鉄道がある。しかしこのタワー、実は京阪電鉄などを傘下に持つ京阪グループによる運営であることを知らない人は意外に多いのではないだろうか。

塩小路高倉の交差点に来ると見える京都市立芸術大学。2023年3月、京都駅周辺の再開発に伴い移転してきた

駅南側を通る塩小路通を東へ進み、高倉通の交差点まで来ると見えるのは、京都市立芸術大学。有名な画家、音楽家、芸術家などを多く輩出する名門校だ。以前、京都市西京区に校舎があったが、京都駅周辺の再開発に伴い、2023年4月に移転してきた。

同校が面する高倉通を挟み、西側にあるのが今回の目的地、本家第一旭である。

大学と高倉通を挟んだ場所にあるのが本家第一旭。実は「第一旭」を名乗る店舗は全国各地にあり、9系統ほど確認できるそうだ。その総本山がこの店

まずはスープからいただく

すぐに店へ入りたいところだが、ご覧の通り、長い行列ができている。ちなみに時間は平日の午後4時過ぎ。最後尾に並び、順番を待つことにする。

最後尾に並ぶ。店に入るまで約40分かかった

ちなみにこの本家第一旭を元として、他にも「第一旭」の看板を上げる店がある。京都府内だけでなく、兵庫県神戸市、愛知県一宮市はじめ他府県でも複数営業している。

ある記事で読んだが、かつて鳥取県米子市にも同じ屋号を名乗る店があった。某放送局の取材によれば、京都の本家第一旭創業者の長男が経営していたのだという。また同じ記事で本家第一旭の社長もコメントしていたが、暖簾分けにより9系統の店を確認できるそうだ。名店だけに、同じブランドで営業したいという経営者が多かったのだろうと察する。

約40分が経過し、ようやく入店する。案内された席はカウンター。入店時、券売機で買い求めていた「ラーメン890円」「餃子300円」「ビール(小)350円」のチケットを店員に渡した。

料理が来るのを待つ間、あらためて店内を見回すと、意外に外国人の姿も目立った。ネットの浸透により、地元民、日本人観光客だけでなく、海外からもお客も呼び寄せているのだろう。

最初に来たビールで乾杯。そして、しばらくして目の前に置かれたのがこのラーメン。まずはスープをレンゲにすくって口へ。澄んだ表情の中にも、少し豚のワイルドな香りがよい。次は麺。割り箸で適当な量を持ち上げ、食べる。うん、おいしい。上に乗っているチャーシュー、さらに九条ネギが絶妙のアクセントになっている。

私の目の前にラーメンが置かれる。まずはスープからいただく。九条ネギが絶妙のアクセントになっている
小ぶりの餃子がビールに合う

遅れてやって来た餃子もいただいた。やや小ぶりで、ビールとの相性は抜群である。再び、ラーメンに戻りつつ、最後まで完食する。ふぅ、ごちそうさまでした。

大満足で店を出ると、さきほどの行列はさらに伸びていた。やはり京都屈指の人気店であることを再認識した。

皆さんも京都に来る機会があれば、ぜひ寄って欲しい。

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