氷山の一角なのか。中国人の在留期間を虚偽の申請で更新したとして警視庁は16日までに入管難民法違反で栃木県の会社役員の60代男と行政書士の70代男を逮捕した。
逮捕容疑は2022年10月に東京都内の飲食店で働く30代の中国人女性が総菜加工販売会社で勤務しているとする申請をして、在留期間更新の許可を得た疑い。会社役員の男が容疑を認めている一方で、行政書士の男は「うその書類は作っていない」と否認している。
2人は19年から23年の間に外国人約350人について虚偽の申請で在留期間の更新などをしたとみられており、会社役員の男の口座には報酬とみられる約1億円が入金されていたという。
350人とは多過ぎだ。SNSでは「在留資格ははく奪して強制送還するんでしょうね」「まさか在留資格を認めたまま放置するなんて事ないですよね」などと怒りの書き込みが相次いでいる。
ある行政書士は「氷山の一角かもしれません」と指摘した上で、「日本で働く外国人からこの手の相談を受けるブローカーがいて、仕事のない行政書士に申請の手伝いを頼むケースがあると聞いたことがあります。行政書士に違法性の認識があったかは何とも言えません」と話した。
日本に働きに来る外国人には来日の際にもブローカーを頼る人もいる。「ブローカーに借金して来日する人もいます。そういう人はとにかく働いて返すしかない。うそをついてでも在留資格の更新が必要になることもあるのでしょう」(同)
350人に対応して約1億円の報酬があったということは、1人あたり20万円から30万円で請け負っていた可能性がある。「主従の関係でいうと会社役員の方が主ではないか。これだけ儲かるなら手を染めてしまう行政書士は今後も出てきかねません」(同)
早急な対策が必要だ。