茨城県内GW観光客40%増 コロナ禍前の水準に 同県「着実に回復」

県内観光地GW入り込み客数

茨城県は16日、ゴールデンウイーク(GW)期間(4月27日~6日)の県内観光地の入り込み客数が、前年比40.4%増の243万7331人だったと発表した。好天に恵まれ、主要な屋外観光施設で客足が伸びた。過去最多だった2019年の約7割にとどまるが、コロナ禍以前の水準に回復。県は「落ち込んだ客足は着実に回復傾向にある」としている。

入り込み客数は、県内の観光地・施設など計75地点を集計。23年の173万5447人(73地点)と比べると、70万1884人増えた。県観光戦略課は増加の要因に「昨年のデスティネーションキャンペーン(DC)による知名度向上や、円安や物価高の影響も考えられる」とした。

期間中の県全体の1日平均は26.4%増の24万3733人だった。地域別では県北臨海地域が4倍増の3万9348人で、5年に1度行われる「常陸大津の御船祭」(北茨城市)が30万人を集めた。

主要観光地のうち、人出が最多だった国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)は52.7%増の32万4391人。誘客の目玉となるネモフィラが連休中盤まで見頃となったことが奏功した。

「道の駅常総」(常総市)は12倍増の15.万5667人。交通アクセスの良さやメディア露出の多さを背景に県内3番目の人出を集めた。近隣に大型書店や観光農園があることから、市の担当者は「相乗効果による集客もあったのではないか」と見る。

一方、一部の観光地では激しい渋滞が発生した。7日間に8万5965人が来場した笠間陶炎祭(ひまつり)(笠間市)を主催した笠間焼協同組合の大津広司理事長(76)は「シャトルバスを運行させるなど対応策を取っているが、会場に着くまで時間がかかり過ぎる」と課題を口にした。

19.2%増の10万7840人が訪れた大洗サンビーチ(大洗町)は、連休前半に県外の潮干狩り客が集中。町内各地で通行が困難となったことから、町は「駐車場や観光施設の混雑状況が分かるサイトを新たに立ち上げる」とした。

同課の担当者は「県内の花の名所を発信する花絶景プロモーション、韓国ゴルフ客の誘客、今秋のアフターDCなどで茨城県の魅力を国内外に広め、着実な観光客の増加につなげたい」と話した。

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