熟練スター声優の誕生日を祝!大塚芳忠&玄田哲章ボイスで観たいドニー・イェン&ジャッキー・チェン主演アクション『 レイジング・ファイア』&『プロテクター』

『レイジング・ファイア』©Emperor Film Production Company Limited Tencent Pictures Culture Media Company Limited Super Bullet Pictures Limited ALL RIGHTS RESERVED

洋画吹替の魅力

これまで洋画ファンといえば字幕派が圧倒的多数を占めていたが、最近は若者を中心に吹替派も増加しているようだ。動画サブスクの普及によるザッピング鑑賞の影響かと思いきや、「映像に集中したいから」というコダワリ派もいるようで、吹替の需要は今後ますます高まっていくと思われる。

そして吹替版に欠かせないのが、日本の誇る声優たち。声で勝負する職業だけに演技力は世界的に見てもトップレベルで、むしろ海外では「日本のアニメは字幕で観る」という現象が起こっているほど。SNS等でも「なぜ日本のボイスアクターはこんなに魅力的なんだ!?」といった称賛が寄せられ、自国の吹替アクターにボヤく“日本の声優ファン”が世界中に存在する。

コアな海外ファンの中には洋画吹替の絶妙な演技にハマる人もいて、「日本語吹替は熟練スキルを要する伝統芸能」という認識が徐々に広まってきている模様。というわけで、洋画のテレビ放送に親しんできた世代には懐かしく、若い世代には新鮮かもしれないベテラン声優による新旧カンフー映画の吹替作品を紹介したい。

さすがの“ドニー芳忠”が存分に楽しめる『レイジング・ファイア』

まず紹介したいのが、5月19日に70歳の誕生日を迎える大塚芳忠氏(ジャッキー・チェンと同い年!)がドニー・イェンの声を担当した『レイジング・ファイア』(2021年)。大塚さんといえば、『NARUTO -ナルト-』の自来也や『ONE PIECE』のモンブラン、『鬼滅の刃』の鱗滝左近次、『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉など大作アニメの人気キャラでお馴染みだ。

そんな芳忠さんは洋画吹替でも重鎮であり、『ダークナイト』のジョーカー(ヒース・レジャー)や『レオン』のゲイリー・オールドマン、さらにブルース・ウィリスやケヴィン・コスナーの声も度々担当している。ドラマ派には『フルハウス』のダニーパパや『ブラックリスト』のレッド(ジェームズ・スペイダー)でもおなじみだろう。

そして芳忠さんといえばドニー、ドニーといえば芳忠さん! 6月にCS映画専門チャンネル ムービープラスで放送される『レイジング・ファイア』は、正義に燃える警官ドニーと復讐に燃える元警官ニコラス・ツェーのW主演作。香港アクション映画界の巨匠ベニー・チャン監督の遺作となった警察アクションだ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』(1992年)からドニーの吹替を務めている芳忠さんボイスを、ぜひ堪能してほしい。

重鎮ボイスをジャッキー主演の怪作で堪能!『プロテクター』

そして5月20日に76歳を迎えるのが玄田哲章氏! アーノルド・シュワルツェネッガーやシルヴェスター・スタローンなど、マッスル系の吹替で洋画ファン以外にもおなじみの名優だ。玄田さんは今回、同じくムービープラスで5月放送のジャッキー・チェン主演作『プロテクター』(1985年)で、ダニー・アイエロ演じるガローニの吹替を担当している。

唯一無二のディープボイスで、『トランスフォーマー』シリーズのコンボイや『バットマン』のブルース・ウェインといった海外アニメ声優としても知られる玄田さん。もちろんカンフー映画の吹替も多数務めており、ジャッキー・チェンの初期作『成龍拳』(1977年)や、サモ・ハン&ジャッキーの『五福星』(1983年)、リー・リンチェイ(ジェット・リー)の『少林寺』(1982年)などに出演している。

ジャッキーのアメリカ進出第2弾となる『プロテクター』は、香港とニューヨークの悪を叩き潰すためアウトロー刑事が大暴れするガン&格闘アクション。といってもあくまで刑事アクションであり、ユーモラスなジャッキーらしさが封印された、ストイックな怪作である。

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