「臨床研修医」になる息子。「大学病院」と「市中病院」とで悩んでいるそうですが、給料はどちらが高いのでしょうか?

大学病院の臨床研修医の給料はどれくらい?

大学病院とは、大学設置基準第39条に基づき、医学または歯学に関する学部を設けている大学において、その教育や研究をするために必要な病院の機能を確保するために設置されている付属病院のことです。

臨床研修医として働く場合の、公式ホームページなどを基にまとめた大学病院での給料例は以下の通りです。

__●研修医手当(給与):月額30万円
●住宅手当/住宅補助費:月額2万円(条件あり)
●宿日直手当:1回につき1万2500円
●半直手当:1回につき6250円
●一次二次救急手当:1年次は1回につき2万円
●研修調整手当:1年次は月額5万円
●そのほか特別診療手当や通勤手当、賞与あり
__

__●研修手当(給与):月額30万円
●宿日直手当:1回につき1万円
●そのほか時間外手当あり__

●給与:当直手当を含めて月額約24万円

大学病院の臨床研修医は、基本給が約30万円の大学病院が多い傾向でした。宿直の状態や大学病院が独自に設定している手当がある場合は、さらに増える可能性もあります。

大学病院で研修する際の特徴

専門的な研究ができる大学病院では、各診療科目の専門医がそろっていることが多いため、よい指導者に出会える可能性があるという特徴があります。

また大学病院では、最先端医療を間近で経験できることもメリットといえるでしょう。幅広い診療科目に対応できるため、複数の診療科目の医師による判断が必要なチームプレーを体感できるケースもあります。

そのため、よりアカデミックな学びをしたい方に向いている場所といえるでしょう。

市中病院の臨床研修医の給料はどれくらい?

市中病院は、診療時間内であれば誰でも外来を利用できる病院です。一般病院とも呼ばれ、いわゆる「かかりつけ医」はその地域の市中病院で働く医師をさします。

市中病院で働く場合の給料例は以下の通りです。

__●給与:月額36万円(1年次)
●宿日直手当:1年次 1万500円
●学会旅費:年額14万円
●そのほか実績によって超過勤務手当あり__

__●給与:1年目38万8460円
●そのほか各種手当や賞与あり__

__●給与:年俸制で420万円(月額換算35万円)
●住宅補助:年額84万円
●日当直料は別途支給__

市中病院の給与は1年次の時点で30万円台後半となっており、大学病院と比べると、高く設定されている傾向にあります。

市中病院で研修する際の特徴

市中病院では、普段かかりつけ医に診てもらう一般的な病気やけがを診察する機会に恵まれています。将来かかりつけ医として働くときのイメージをつかみやすい点が特徴です。

また、大学病院と比べると医師の数が少ない傾向にあるため、より能動的に学びやすい環境があります。カリキュラムに沿って学ぶのではなく、自分から積極的に学びたい方にも向いているといえるでしょう。

給料で見ると市中病院の方が高い傾向にはある

臨床研修医の給料で見ると、大学病院よりも市中病院の方が比較的高い傾向にありました。ただし、地域や病院によっては必ずしも今回調べた結果通りとは限らない点に留意しておきましょう。

また大学病院はアカデミックで専門的な学びを中心にしたい方に、市中病院はかかりつけ医としての働き方を学びたい方に向いていると考えられます。給料面だけでなく、自分が将来どのような医者になりたいのかを考えて決めましょう。

出典

e-Govポータル 医師法(昭和二十三年法律第二百一号) 第四章 研修 第一節 臨床研修 第十六条の二
e-Govポータル 大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号) 第八章 校地、校舎等の施設及び設備等 第三十九条(附属施設)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社