畑岡奈紗さん、ウェッジ2本持って何の練習するんですか?

「2本のウェッジを両手で持って、平行な間隔を保ってゆっくり素振りします。朝イチにも行って手打ちを防ぐようにしています」(畑岡)

11歳で本格的にゴルフを始めてからわずか5年、16歳で「日本女子オープン」を制した畑岡奈紗。彼女のスイングは当時から異次元レベルだと評価されていた。米国女子ツアーで6勝を挙げ、名実ともに世界のトップ選手となった畑岡に、スイングで大切にしていることや練習方法を聞いた。

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ジュニア時代から練習するときの打席は、いつも右側でした。理想は1番右端の打席で、そこが空いていないときでも真ん中より右の打席で打っています。プロになってからも、米国に来てからもそれは変わっていません。

理由はインサイド・アウト軌道に振りたくないからです。私の場合は少しジャンプしながら打っていたので、左の打席から右方向を狙ってしまうとインサイド・アウト軌道が強くなり過ぎてしまうんです。それを抑えるために右打席から左方向を狙って打っています。

ここ数年はジャンプする打ち方も抑えながら、スムーズに上半身が回る動きを意識しています。上半身はフラットな角度でヨコ方向に回ってしまうと窮屈なスイングになるので、なるべく肩をタテ方向に回す意識で練習しています。

もう一つ、いつも気にしているのは手が悪さをしないこと。調子が悪くなったり、体が疲れてくると、どうしても手が悪さをしてしまいます。そんなときによやるのが両手でクラブを1本ずつ持ち、2本のクラブを平行にしたまま素振りをする練習です。このとき、手でクラブを動かそうとすると、平行がキープできずにクラブ同士がクロスしてしまいます。

2本のクラブが平行な関係を維持するためにはしっかり胸と腰を回していかないといけないので、体で打つ感覚を確認できます。アマチュアで手打ちに悩んでいる人にもこの練習はオススメです。最初はゆっくりしたスピードでやった方が体の各部位の動きをチェックできると思います。

試合当日や試合後の練習でも必ずやっているのが片手打ちです。片手打ちはただボールを打つのではなくて、体のコアにある軸を感じながら打つことが大切です。もう一つ意識しているのはワキを支点にすること。右手の場合は右ワキです。片手打ちをしながら今日は右が強いのか、左が強いのかもチェックしています。どちらの手が強くなっていても、試合当日はもうスイングの修正はしません。

ラウンド前の練習は自分の状態、調子を確認するのが目的。私の場合はパットをやった後にアプローチ、PWと練習します。その後は8I、6Iでハーフショットやフルスイングをやって、ドライバーでもドローやフェードを打ちます。だいたい100球くらいは打っています。他の人と比較したことはありませんが、ちょっと多めかもしれません。

■畑岡奈紗
はたおか・なさ/1999年1月13日生まれ、茨城県出身。2016年に史上最年少で「日本女子オープン」優勝を飾る。まだ10代だった17年から米国女子ツアーに参戦して、通算6勝をマーク。アビームコンサルティング所属。

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