ブラジル政府、物価見通し引き上げ 通貨安や洪水の影響考慮

[ブラジリア 16日 ロイター] - ブラジル財務省が16日発表した今年と来年の物価上昇率見通しは3.70%と3.20%で、3月時点の3.50%と3.10%からいずれも上方修正された。

通貨レアルがドルに対して最近下落していることに加え、南部リオグランデドスル州における豪雨と洪水が供給サイドや、コメや食肉などの価格に影響を及ぼす点を考慮した。

財務省は「これらの価格は向こう2カ月で急激に上昇するのは避けられない。だが大半の値上がりは供給の正常化にともなってその後落ち着いていくはずだ」と述べた。

経済成長率については今年の見通しを2.2%から2.5%に引き上げ、来年は2.8%に据え置いたが、豪雨と洪水の影響は現時点で織り込んでいない。

また財務省は、中央銀行政策金利に言及。年内の利下げ回数は従来の想定より少なくなり、現在の緩和サイクルにおける政策金利の最終到達地点も想定ほど低くならないとの見方を示した。

中銀は先週の会合で、それまで6回連続で50ベーシスポイント(bp)としてきた利下げ幅を25bpに縮小し、今後の政策運営の指針(ガイダンス)を破棄している。

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