通学路に歩道、信号、照明を 中学生が安全求め陳情 来月、水戸市議会で採決 茨城

通学路の危険箇所改善に向けて陳情を提出し、担当者(右)から説明を受ける生徒3人=水戸市塩崎町の常澄中

茨城県の水戸市立常澄中(同市塩崎町)生徒たちが、通学路の安全確保を求めて市議会に陳情を提出した。代表で提出した生徒3人は「危険な道路は大人しか変えられない」と声をそろえ、学区内通学路の信号機やトンネル内の照明などの設置を要望。市議会常任委員会で今月採択され、6月定例会で採決される予定だ。

陳情を提出したのは、いずれも3年の関健汰さん(15)と戸田宗佑さん(15)、車田伊織さん(14)の3人。

3人はG7水戸会合に先立ち昨年11月に開かれた「中学生安全サミット」で、トンネル内のライトが切れたり、市道で道路端の白線が一部消えたりするなど通学路の危険箇所を報告。今年1月、「私たちも安全に気を付けるが、危険な道路は大人しか変えられない」と陳情提出に踏み切った。市議会事務局の担当者は「中学生から陳情が提出されるのは極めて珍しい」と話した。

陳情内容は、通学路となっている県道や市道の▽交差点に横断歩道と信号機の設置▽白線と中央線の引き直し▽トンネル内の照明設置▽坂道でのカーブミラー設置-の4点。市議会文教福祉委が4月中旬、陳情で要望のあった各現場を視察し、今月10日に採択した。

今月13日には市生活安全課の鴨志田創さんが同校を訪問し、委員会採択を報告。交差点の信号機と横断歩道の設置について県警が4月に交通量を調べ、設置基準を踏まえて検討していることなど、行政や県警の対応について生徒らに説明した。

委員会採択を知らされた車田さんは「中学生の声で、こんなに多くの大人が動くと思わなかった。自分の声で(社会を)変える仕組みがあると分かった」と感慨深そうな表情。鴨志田さんに危険箇所について説明した関さんは「不便さを感じる通学路を変えようと、市や警察が動いてくれてうれしい」と話した。

坂道のカーブミラー設置については市が設置を検討中とする一方、鴨志田さんは「坂道は上りの車が優先。自転車で下りる際は速度を抑えて」と助言。戸田さんは「並んで走らないなど安全に気を付けたい」と気を引き締めた。

市議会事務局によると、3人の陳情は市議会6月定例会で委員長報告の後、本会議で採決される見通し。

生徒が陳情で照明設置を求めている東水戸道路のトンネル=水戸市大串町(常澄中提供)

© 株式会社茨城新聞社