吉田優利は米ツアーで大苦戦…30日開幕全米女子OPで「米ツアー撤退の声」吹き飛ばせるか

吉田優利(C)共同通信社

「木曜日ですけど、本当にたくさんの方に駆けつけていただきましたし、こんな感じの中でやっていたことを思い出しましたね。すごくいい気分で回れました」

こう語ったのは、米国から一時帰国してブリヂストン女子ゴルフ(袖ヶ浦CC・袖ヶ浦C=6731ヤード・パー72)に出場している吉田優利(24)。今大会が国内ツアー今季初戦。初日は首位に4打差の3アンダー7位タイとまずまずのスタートを切った。

昨年の最終予選会を7位で突破し参戦している米女子ツアーでは4試合で予選落ち2回。最高位は前週大会の50位と苦戦している。

例えばパッティングだ。2023年は国内ツアーで1ラウンド当たりの平均パット数(28.7343)は6位。強めにヒットしてカップの向こう側に当てる「カベドン」が得意だった。ところが、米国では攻撃的なパットが災いしている。この日、本人がこう言っていた。

「向こうに行って、しっかりとパットを打って返しの1メートルを外すことが定番。日本(のグリーン)は地面を読むだけでいいのですが、向こうは地面も芝も地面と芝の空洞も読まなくてはいけない。難しい複雑なラインの1メートルとこっちで打つ1メートルは全然質が違うなと感じていたので、そこは自分がどんどん変わってきているんだなと思いながらやっていました」

米女子ツアーは同日開幕したみずほアメリカンズ・オープン終了後に今季1回目のリシャッフル(出場優先順位の見直し)が行われる。優先順位がシード選手と同等になるポイントランク80位以内を目指したが、現在は139位。2回目のリシャッフルが行われる8月まで、出場機会が限られるカテゴリー13のままだ。

「吉田は賢い選手だし、何より負けず嫌い。そんなことはないと思いますが…」と、ツアー関係者がこう語る。

「米女子ツアーでシード権が取れなければ、来季は国内ツアーに戻ってくるんじゃないかという声がある。今後も出場機会は限定されるし、米女子ツアーは大勢のギャラリー応援もない。世界ランキング96位では五輪代表へのモチベーションもないし、『今のままでは気が滅入ってしまう』という心配もわからないではない。ですが、吉田は30日に開幕する全米女子オープンの切符を予選会トップで取った。本人はこの大会を転機にしたいと考えているはずです」

米女子ツアーからの撤退といえば、この日国内ツアーで7アンダーのトップタイに並んだ河本結(25)がそう。19年の米ツアー最終予選会を通り、20年は13試合でトップ10入り2回。6度の予選落ちで賞金ランキング73位に終わると、参戦2年目の21年5月に海外の生活環境に馴染めずツアー撤退を発表し、国内ツアーに復帰した。

吉田はこの試合の結果がどうあれ、全米女子オープンで見せ場をつくりたい。

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