『Believe』狩山・木村拓哉の逃走を後押しする“サイコパス刑事”黒木の怪しい動き

5月9日、木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)の第3話が放送された。大事故の責任を負わされ罪人となった狩山(木村拓哉)が企てた、難攻不落の刑務所脱獄計画。舞台を医療施設に移し、狩山と刑務官・警察官たちの攻防は思いもよらぬ展開となった。現代日本を舞台にした逃走劇はどのような結末を迎えるのか――。

『Believe-君にかける橋-』は、大手ゼネコン『帝和建設』の土木設計部部長・狩山(木村)を主人公に、東京都の一大プロジェクトである龍神大橋の建設現場で発生した崩落事故の真相究明と、余命僅かな妻・玲子(天海祐希)に真実を伝えるため刑務所脱獄に挑む狩山の姿を描くヒューマンサスペンスドラマ。橋設計一筋の狩山は、帝和建設を守るため、下請け会社の不正による崩落事故の責任をかぶり、被告として刑期を全うする道を選ぶ。しかし、帝和建設は事故の真相とともに狩山の存在も無きものにしようと画策。裁判という正攻法を絶たれた狩山は、刑務所からの脱獄を決意し計画を実行するも、鬼刑務官と恐れられる林(上川隆也)に勘付かれマークされることになった。

受刑者たちの力を借りてわざとけがを負い、国立刑務所から所外の武蔵平総合病院へと救急搬送されることに成功した狩山だったが、救急車に林が同乗するという想定外の事態に。刑務所の区長という立場でありながら受刑者の一人にすぎない狩山を24時間監視する方針を示したが、人目を忍んで狩山の逃走を支援したのには驚いた。冤罪だった受刑者の恨みを買った過去の償いだとしても、餞別付きで見逃すとは。かすれた声も火事の影響ということがわかり、上川隆也の芸の細かさには脱帽だ。

林が内通していた人物は、狩山を刑務所に封じ込めたい反狩山派だと思われていたが、林の「成功しました」という言葉から狩山の脱走はその人物の意向と推察できる。その人物は現時点では断定できないが、第3話で狩山の脱走を後押ししたように見える主要キャラはいた。

それは捜査一課の刑事・黒木(竹内涼真)だ。狩山の脱走騒動の担当刑事として、狩山の潜伏先である古着屋に出向き、そこで黒木は店のシャッターを強く叩いた。“袋のねずみ”である狩山への余裕の振る舞いかもしれないが、狩山に「間もなく突入する。逃げる準備をしろ」と伝えているかのように映ったのは筆者だけだろうか。結果として狩山を見つけながらも発砲せず逃げられるという結果に。黒木は龍神大橋の崩落事故で亡くなった若松(竹内涼真)の弟であることが判明し、玲子の見立てではその復讐として狩山に執着している。ただ、若松と狩山は強い絆で結ばれた仲間であり、黒木が生前に若松から狩山の人間性や感謝を伝えられているとしたら……。あらぬ罪で服役することになった狩山を、刑事の立場でありながら支援する動機があるだろう。デリカシーゼロで飄々としたキャラクターの黒木だが、腹の中では兄の無念を晴らすために狩山をサポートしていたという胸アツ展開があるかもしれない。

第4話では狩山と玲子の念願の再会が待っている。しかし、警察が近くに潜伏している以上、2人の幸せな時間は長くない。崩落事故の真実を明らかにするには、証拠ファイルを保有する帝和建設サイドの人間に接触しなければならず、狩山一人では接触すらままならないだろう。今回林が味方したように、必ずや支援者が現れるはずだ。それは誰になるのか、狩山をどのように支援するのか。狩山の逃走劇とあわせて崩落事故の冤罪をどのように晴らすのかにも注目したい。

■番組情報

テレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』
テレビ朝日系毎週木曜21時~

出演:木村拓哉、天海祐希、竹内涼真、斎藤工、山本舞香、一ノ瀬颯、上川隆也、小日向文世、北大路欣也 ほか

主題歌:MAN WITH A MISSION『I’ll be there』(Sony Music Labels Inc.)
脚本:井上由美子
音楽:林ゆうき
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子
プロデューサー:都築歩、髙木萌実、松野千鶴子
監督:常廣丈太、樹下直美
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
公式サイト: https://www.tv-asahi.co.jp/believe/

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