自修館中等教育学校添田裕樹子さん 高校生直木賞で全国へ 「楽しんで話したい」 伊勢原市

全国大会に出場する添田さん

自修館中等教育学校4年の添田裕樹子さん(笠窪在住・15)が5月19日(日)、第11回高校生直木賞の全国選考会に出場する。全国大会では地方予選で互選された代表者が、同賞の候補作に選ばれた5作品から1作品を選び、議論を実施。最終的に今年の同賞を決定する。

高校生直木賞は、フランスの読書教育の一環として30年以上にわたって行われている「高校生ゴンクール賞」の日本版を目指して開催されているもの。議論の中で新たな発見をするなどの学びを目的に2014年に初開催し今回で11回目。

4月21日に地方予選がオンラインで行われ、添田さんは自宅から参加。全国から40を超える学校が各ブロック毎に分かれ、各校が選んだ候補作について議論を行った。

添田さんは同校の読書同好会「com+comReadingclub」のメンバー。会では候補作の一つである「木挽町のあだ討ち」(新潮社・永井紗耶子作)を選んだ。

添田さんらは大会に参加するため、昨年末から候補作品を予想し読み始めた。候補が5作品に決まってからはメンバーがそれぞれのペースで作品を読み進めながら、議論を平行させ、推薦したい1作品を選んだ。

同校が選んだ作品について「読者に語りかける文章が新鮮だった。張り巡らせた伏線を回収する気持ちよさ、読後感を重視した。今まで読んだ本で一番のめり込んだと思う」と話す。

予選ブロックで西日本の15校ほどの学校と意見を交わした添田さん。「初めての参加で緊張もあり、うまく話せるか心配だったが、自分が好きな本について関心を持って聞いてくれ、共感してくれるのが楽しかった。学校では出なかった新たな視点が聞けて勉強になった」と話す。

ブロックの代表に選ばれたことについて「なぜ自分なのか分からない」とし「オンラインなので、回数を多く、積極的に話すことを心掛けた。とにかく好きな点を楽しそうに話した」と振り返る。全国大会では「楽しんで作品の魅力を伝えたい。結果作品が高校生直木賞に選ばれたら嬉しい」と意気込む。

父親の影響で読書好きに

本やマンガが好きな父親の影響で幼稚園の頃から本が好きになったという添田さん。自修館には同校の図書館「com+com」を利用したいという理由で志望した。

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