大磯町出身山下さん 愛媛県の酒造 5代目蔵元に 5月19日に地元で試飲イベント 大磯町・二宮町・中井町

宇都宮酒造5代目の山下さん

大磯町出身の山下英輔さん(39)が5代目蔵元を継承した愛媛県西予市宇和町の宇都宮酒造株式会社の試飲会が5月19日(日)、ギャラリーカフェミューズ(大磯1713の64)で開催される。午後1時〜4時。

山下さんは大磯小学校、大磯中学校出身。平塚農業高校を卒業後、専門学校や大学で環境学を学んだ。食品リサイクル会社で学校給食センターから出たごみを堆肥として活用する事業を経験したことから「発酵」に興味を持ち、「日本酒を作ってみたい」と、2020年に母のいとこが経営する宇都宮酒造の後継者として修業をスタートさせた。

宇都宮酒造は1910年創業。代表銘柄「千鳥」やロゼワインのような味わいのピンク色の酒「花神」を製造する。

山下さんが酒造を尋ねた際、4代目・宇都宮繁明さん(78)は蔵をたたもうとしていたという。「貯金があるから1年くらいは給料が出なくてもやれると飛び込んだ」と山下さん。一日でも早く酒造りを覚えたいと、4代目の一挙手一投足をノートに書き連ねた。

「継いだ頃は、うちの酒は地元の道の駅などにしか置いてなかった」と山下さん。販路拡大が急務と考え、酒造組合や商工会に加入したほか、地元の飲食店に通って人脈を広げた。今では組合を通じて新橋駅近くのアンテナショップに置かれているほか、台湾にも輸出している。

昨年、5代目蔵元に就任。クラウドファンディングで廃盤となっていた銘柄「大和楽」を復刻したほか、愛媛県のオリジナル品種の花「さくらひめ」から酵母をとった「うさぎのバレリーナ」を開発してきた。「4代目は好きなようにやりなさいと言ってくれている。楽しめるお酒がコンセプト。大磯の人にも味わってもらいたい」と話していた。試飲は飲み放題で3500円。販売可。(問)ミューズ【電話】0463・61・6765

昨年開発した「うさぎのバレリーナ」

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