有権者からの、党への信頼を積み重ねた3年間。立憲民主党・泉代表、代表任期を振り返る 選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年5月11日に公開された動画のテーマは「代表就任3年!次のステップは?」

泉氏が立憲民主党の代表に就任して2年半。3年の任期の終わりが近づく中、何を考えているのでしょう。代表就任直後の衆院選、立憲民主党の敗戦経験を「複雑骨折」と例えた泉氏の、3年間の振り返りと次のステップを伺います。

【このトピックのポイント】

  • 「代表任期中に、必ず総選挙があると思っていた」
  • ボトムアップの政治に立ちはだかる襲撃事件や選挙妨害、それでも……
  • 次の代表選を見据える前に、ミッション型内閣の熟度を高めたい

泉氏のプロフィールは以下の通りです。

泉健太代表はまだ40代。29歳で衆院選に初当選し、補欠選挙を含め8回当選の実績を持ちます。

「政治の世界は年配が多い中、野党第1党の党首が40代というのは希望を感じる」とのMC鈴木邦和のコメントに対し、ウクライナのゼレンスキー代表やフランスのマクロン大統領を引き合いに出す泉氏。

「日本ではずいぶんと年齢の上の人たちが権力を持っている。むしろ日本のほうが珍しいかも」と表情を引き締めます。

泉氏は学生の頃から政治を身近にする活動をしてきました。

市の職員が夜勤手当をもらいながらやっていた開票作業を、学生アルバイトができるように掛け合ったエピソードは、大学生が選挙を身近に感じられる上、行政のコストカットにもつながる画期的なアイデアですね。

今回の放送で泉代表に伺うテーマは3つです。

「まずは総選挙に全集中」泉氏、代表の2年半を振り返る

泉氏は立憲民主党の代表として、以下を掲げてきました。

  • 衆院選で150議席獲得
  • ミッション型内閣の実現

泉氏は「任期中に総選挙が必ずあると思っていた」と語り始めます。

泉氏「任期中に総選挙がないなんて想定していなかった。必ずあるだろうと思っていたのに、あっという間に3年。結局解散されないまま、もしかしたら次の代表選の時期になるかもしれないのは、意外でした」

これまで立憲民主党で、代表として衆議院の本選の経験がない方はいません。それどころか……

泉氏「この3年間で『首班指名』の投票を受けたこともないんです」

前回の首班指名は、立憲民主党で枝野前代表が辞任し、次の代表が決まるまでの空白期間でした。

枝野前代表の辞任を招いた衆院選の敗北は、党にとって「複雑骨折、集中治療室から始まるような状況」だったと語ります。しかも、

泉氏「半年も経たないうちに参議院選挙がある。集中治療室に入っている状況で、半年後には外に出て歩かなければならない状況。党勢回復は難しいという実感でした」

すぐにインパクトのある結果を出すことを狙うのでなく、任期の間で経時的にものを見ていくリーダースタイルだという泉氏は、3年を見据えた目標を立てました。

泉氏「波を乗り越えながらどうやって3年の任期、次の総選挙までに党勢を回復させるか、立憲民主党を外を歩けて活動できるようにしていくかが、自分の最初の目標というか考えでした」

泉氏は、政党支持率を株価に例え、長い期間で見ると、傾向が見えてくると語ります。

例えば、2012年の総選挙で自民党が政権に戻って以降、野党第1党の政党支持率は10パーセント前後であまり変わっていません。

泉氏「前回の民主党政権に期待したけれど残念だったという思いで、野党支持を表明しにくい空気は世の中全体にある。何の政策をやったから何ポイント上がるというのはない」

一方、泉氏は「自民党の支持率も高止まりではない」とも指摘します。

泉氏「野党が選挙に勝つことによって、(支持率が)数ポイント上がることがあるんですよね。相乗効果的な。選挙で勝ったことで、政権を担う政党としての期待が出てくる」

泉氏は、「有権者が慎重になるのは当然のこと」とし、「次の総選挙で政権を取ることになれば、初めて党の支持率が上がるのではないか」と展望します。

2012年以降、立憲民主党が新たに有権者の信頼を積み重ねる中、与党が信頼を失うこともありました。それが、旧統一教会の問題や、20年も続く裏金問題だと、泉氏は指摘します。

泉氏「同じルールで試合をやってたと思ったら、実は自民党はドーピングをやっていたのね。それはちょっと退場でしょ、という空気はあると思う」

この秋に控える立憲民主党の代表選。泉氏は、まだ立候補を明言していません。目指すのは、あくまでも次の総選挙です。

泉氏「次の総選挙で政治が大きく変わる。そのカタチを作ることが私自身のミッションですから、今はそこに全力」

代表選の時点で、総選挙が終わっているかどうかによっても違うだろう、と泉氏は語ります。任期中に積み重ねたものをさらに積み重ねたい、という思いは感じられますが……

泉氏「まずは総選挙に向けて全力」

襲撃事件、選挙妨害……それでもマイクを持って語るのが民主主義

MC鈴木邦和「野党第1党の重圧は?」

泉氏「仲間が落選することが一番キツいですね。頑張ってきた仲間が当選して、議会で活躍する。それを目標でやってきて、僅差で負けるケースが多々あって、申し訳ない」

泉氏自身は、自ら全国を回ったり有権者と話をして、ボトムアップの政治をしていきたいと語ります。その動きを阻害するものとして、前回の参議院選挙の安倍元総理の銃撃事件を挙げ、「ものすごく衝撃を受けた。あってはならないこと」と表情をこわばらせます。

泉氏「警備がものすごく厳重になった。有権者と対話すること、接することに以前以上に制約がある。ここをどう補うか」

MC鈴木「東京15区の選挙妨害など、候補者や陣営、聴衆の安全が脅かされつつある。どうすべき?」

泉氏は、「基本的には表現の自由、選挙の自由は当然尊重される話」としながらも、他者の妨害によって、その自由が冒されたり停滞したりしては本末転倒、とコメントします。

泉氏「SNSで稼げてしまう仕組みがあって助長するのであれば、そこには改善する必要があるだろう」

MC鈴木は、安倍元総理や、岸田総理のような首相クラスが応援に来る時はSPが帯同するが、そのほかの議員や立候補者では、安全が保障されない点を指摘します。

しかし、泉氏は、「安全のためにとにかくやたらめったら、とにかくみんなSPがついたら、それこそ政治がおかしくなっていく」と懸念します。

現場では、警護対象者が街頭演説をする場合には、金属探知機を入れており、警察としても全力を尽くしていると紹介します。それでも完全に守れるわけではありません。

泉氏は、民主主義はそういう危険を表裏一体として持つと語り、野田佳彦元総理の言葉を紹介します。

泉氏「野田元総理が、安倍元総理の追悼演説の中で『政治家よ、マイクを握れ。それを止めてはいけない』と訴えたのはたいへん重たいこと。我々はマイクを持って言葉を発し続ける。これが民主主義を守ること」

「ミッション型内閣の熟度を高めたい」焦点は政治改革+5政策以内

最後に、泉氏に次のステップを伺いました。

泉氏は、まずは衆院選でのミッション型内閣を見据えます。

泉氏「ミッション型内閣の熟度を高めたい。各政党の幹部が集まって目に見えるかたちでやらなければならないということではない。テーマごとに集まればいい」

たとえば立憲民主党と国民民主党でいえばガソリンのトリガー条項。考え方は基本的に一緒。政権を取ったら一緒にやろうというのは合意できると思う。

維新や教育の無償化の会でいえば、教育の無償化は一緒にやれる。大学の奨学金なのか、高校の授業料なのか、学校給食なのか。優先順位を忌憚なく話し合えればいい。

日本共産党は内閣は組まないけれど、企業団体献金の廃止など、長年主張してきたことの考えがどういうものかを学べばいい。

どの政策をミッション型内閣で行うのか。それぞれの党首や幹部が、どの政策を担いたいのか、ひとりひとりに聴いてみたいと泉氏は語ります。

しかしながら、泉氏は民主党政権の失敗を踏まえ、「やるべき政策をやるという政権を作りたい」とミッション型内閣の主旨を明言します。

泉氏「民主党政権では、いち内閣でひとつの政策をやるだけでも十分な仕事になるだろうという時に、同時多発でぜんぶやり進めようとしたところに内閣の体力は相当割かれたし、途中からは体力を失った」

長年続いた自民党政権から変わることから、泉氏はミッション型内閣で次のような方向性を提案します。

  • まずは、政治改革
  • 次いで、教育の無償化や子育て支援
  • 外交や安全保障は基本的に継続
  • 経済も、維持の中から微修正。急激に方向を変え、株価暴落を招くのは失策

泉氏「政治改革プラス5つ以内の、必ずやる政策を明確にすることが、有権者の信頼を得るのではないか。あとは現状維持でまずはいきますと」

MC鈴木も、一般的なマニフェストには長期、短期の政策が並び、時間軸が見えづらいため有権者にわかりにくいと指摘。重要なテーマを掲げることの重要性を支持します。

MC鈴木「ほかの政党も含めたミッション型内閣で、政党ごとに担う役割が見えてくると、政権交代のイメージが湧いてくるなと思うんですが、衆院選の前に、ほかの党まで含めたミッションをある程度議論して掲げておくべきだと思いますか?」

泉氏は「それができればすばらしい」と応えながらも、選挙後に各政党の考え方を整理し直し、政策の重きの置き方が変わっていくことがあるのではないかとコメントします。

MC鈴木「ヨーロッパの多党制だと連立を組むのに1ヵ月も2ヵ月もかかる。選挙の時の期待と優先順位を決めて、内閣として取り組むところが決まる。ミッション型内閣、考え方としては近い?」

泉氏は頷きながらも、「簡単な話ではない」と言い、自民党まで加わってくる可能性を指摘します。

泉氏「自民党はどことでもくっついても政権を維持するとか、譲りまくっても政権を維持する政党ですから。ある程度の綱引きは起きるでしょうね」

動画本編はこちら!

代表としては衆院総選挙が未経験の泉氏。これまでの振り返りと次のステップについて、心の内を語ります!

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