【早出し】自動改札や列車、安全に利用 視覚障害者対象、山形駅で講習会

白杖を持って自動改札を通る参加者=山形市・JR山形駅

 視覚障害者を対象にした鉄道利用講習会が16日、山形市のJR山形駅で開かれ、県内在住の8人が自動改札や車両への乗り降りの仕方を確認した。

 2017年に日本視覚障害者団体連合が行った全国調査では、31.5%が駅ホームで転落経験があると回答した。安全な利用につなげようと日本盲導犬協会仙台訓練センター(根本学センター長)が本県で初めて実施した。

 参加者は券売機の音声案内を聞いて切符を買い、点字ブロックをたどって自動改札に向かった。白杖(はくじょう)で車両とホームの隙間を確認し、車両の扉付近の手すりにつかまって乗降した。

 盲導犬を連れた三瓶岩夫さん(67)=南陽市大橋=は「一人で切符が買えたら行動範囲が広がる」、渡辺恵美子さん(71)=寒河江市中央1丁目=は「普段は夫の車に乗せてもらうが、電車で2人で出かけられたらうれしい」と話した。同センターの笹山夕美絵さん(47)は駅利用者に向けて「視覚障害者が困っていたら声をかけてほしい」と呼びかけた。

音声案内を聞き切符を購入する参加者=山形市・JR山形駅

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