熊本市の保育所への入所申し込み、10月からに1カ月前倒し あっせん期間確保で「保留児童」の減少狙う

 熊本市は15日、市内の保育所への入所申し込みの開始時期について、今年から従来より1カ月前倒しして10月にすると明らかにした。希望する保育所に入れずに入所を見合わせている「保留児童」を減らす狙い。この日、直近の入所状況を公表し、熊本日日新聞の取材に答えた。

 保留児童は「隠れ待機児童」とも呼ばれる。2024年度(4月1日現在)は422人で、23年度より37人増えた。ここ10年の推移を見ると、15年度の801人から、17年度は373人まで減少。その後は、300人台から500人台の間で増減を繰り返している。

 市内には定員に満たない保育所があるものの、施設が古い、自宅や職場から遠い、といった理由で、入所を見合わせるケースも少なくない。

 こうした現状を踏まえ、市は入所申し込み時期を、11月から10月に早めることにした。支援員による保護者と保育所のあっせん期間を長くし、受け入れ先を探す環境を整える。

 保育幼稚園課は「家庭でそれぞれの事情があり、保留児童をゼロにするのは難しいが、希望の多い保育所には定員増もお願いして、保留児童の減少に努める」としている。

 一方、保育所などに入所できない「待機児童」は24年度、1人もいなかった。20年度から5年間ゼロが続いている。(臼杵大介)

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