成り立ち、石垣、自然…岡城の全てが分かる一冊 竹田市の岡の里事業実行委が出版【大分県】

「新 岡城物語」を出版した馬場尚登会長(右から2人目)ら岡の里事業実行委員会のメンバー=竹田市竹田の竹田創生館

 【竹田】竹田市の岡の里事業実行委員会が「新 岡城物語」(A4判、99ページ)を出版した。城の成り立ちや石垣、自然、文化、人物など幅広い側面から紹介する。実行委は「一冊で岡城の全てが分かるよう心がけた。本を片手に城跡を見学してもらえれば」と話している。

 岡城は1185年に緒方三郎惟栄(これよし)が築いたとされる。

 実行委はこれまでにも岡城に関する本を出してきたが、それぞれ石垣や植物などに特化した内容だった。今回はメンバーの藤野めぐみさん(51)が「城への興味を広げてもらうとともに、見学に便利な本を作ろう」と発案。昨年春ごろから作業を進めてきた。

 本は1~6章で構成。1章は志賀氏、中川氏へと城主が移り、現代へと続く歴史を紹介する。城の内部や城下町の様子を解説し、領地を襲った地震や火災などの災害もまとめた。

 2章は城の特徴にスポットを当て、縄張りについて説明する。3章は石垣に注目。災害後、補修するたびに積み方が変わっており、多様な技法が採用されているという。

 4~6章では、暮らしと軍備を支えた植物などの自然、岡城ゆかりの史跡・行事といった文化、城主や文化人らの人物伝を掲載している。

 写真をふんだんに盛り込んだほか、年表や表、地図も活用して理解を深める。岡城跡の隠れた見どころを紹介するページもある。

 1200円(税込み)。市内の竹田創生館などで購入できる。

 馬場尚登会長(55)は「資料集めに力を入れ、事実を伝えようと心がけた。石垣の多様さなど、新たな気付きも得られた」と語った。問い合わせは同館(0974.62.4100)。

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