河内貴哉広報には、現役時代の忘れられない練習方法がある。「投げ方が分からなくなっていた」と明かす入団2年目以降。極度の制球難に陥った際のことだ。「目隠しを着けてブルペンで投げるんです。そしたらそんなに変なところにはいかなかった」。視覚からの情報や、考えることは時に邪魔になる。そんな教えだった。
1ダースの球を瞬時に投げ続ける練習もあった。そんなアイデア練習で少しずつ投げられるようになっていった。指導してくれたのは5日に亡くなった清川栄治さん。「怒られたことは全然なかった。『広報、頑張れよ』とか毎年手書きで届いていた年賀状が今年はなくて…」。寂しさと感謝がにじんだ。