三重県議会議長に稲垣氏、副議長は小林氏 「改革や情報発信に努める」

【就任会見で抱負を述べる稲垣議長(左)と小林副議長=県議会議事堂で】

 三重県議会は16日の本会議で正副議長選を実施し、114代議長に稲垣昭義議員(51)=新政みえ、6期、四日市市選出、118代副議長に小林正人議員(57)=自民党、5期、鈴鹿市=を選んだ。

 出席した47人が投票。議長選は稲垣氏が43票、稲森稔尚氏と吉田紋華氏が1票ずつで、残る2票は無効。副議長選では小林氏が45票を獲得。残る2票は稲森氏と吉田氏に入った。

 議長選での無効票は、最大会派の新政みえ(21人)と第2会派の自民党(19人)が水面下で候補者を調整したことへの反発とみられる。自民党では、正副独占を求める声も上がっていた。

 稲垣氏は就任会見で、議会改革や海外交流の推進、若者の政治参画などに努めると強調。「全国に先駆けて議会改革を進めてきた県議会の歴史に恥じないように行動したい」と抱負を述べた。

 議長選の結果については「多くの方に名前を書いてもらえてありがたく思う」とし、無効票があったことには「全員が書いてもらうに越したことはないが、多様な意見があって当然」と語った。

 議長任期は申し合わせで2年以内とされるが、稲垣氏は1年で辞職する考えを示した。「(1年は)全力投球に良い期間だと思う。県議会の皆がいろんなことに関わることも大事」と語った。

 小林氏は会見で「県民の期待を裏切ることのないよう全力で取り組む」と強調。広聴広報会議の座長を務める立場から、SNS(交流サイト)を通じた情報発信などに努める考えを示した。

 正副議長の共通点について問われると、稲垣氏は「最初の県議選では落選し、2回目の選挙で当選したこと」と語った。小林氏は、両氏とも福祉の分野に強い思い入れがあることを挙げた。

 稲垣氏は三重銀行での勤務を経て平成15年4月の県議選で初当選。四日市港管理組合議会の議長などを経て令和3年5月から一年間、副議長を務めた。明治大院ガバナンス研究科卒。

 小林氏は川崎二郎衆院議員=当時=の秘書や鈴鹿市議を経て平成19年4月の県議選で初当選。監査委員や予算決算常任委員長、議会運営委員長などを歴任した。中京大法学部卒。

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