宮前区 新区長に齋藤氏 インタビューで展望語る 川崎市宮前区

インタビューに答える齋藤区長

宮前区の新区長に齋藤正孝氏(57)が就任した。本紙のインタビューに対し、齋藤区長は「意見を言い合える風通しの良い環境づくり」を掲げ、川崎市制100周年となる今年度の宮前区の展望を語った。

齋藤区長は中央大経済学部を卒業し、1989年に川崎市役所に入所。まちづくり局指導部建築管理課長や建設緑政局総務部庶務課長などを経て、2021年に建設緑政局総務部長に就任。23年からはまちづくり局総務部長を務めてきた。

--川崎市役所に就職したきっかけを教えてください。

「利益追求ではなく、公共のために働くというビジョンに共感したからです。高校、大学時代にバドミントンをやっていて、川崎市体育館(現・カルッツかわさき)を使用していました。先輩もいたので川崎に対する愛着がありました」

--区役所勤務は初めてですね。

「はい。縁の下から職員を支える庶務課の配属が長かったので、私自身(区民に一番近い存在の)区長就任には驚きました」

--仕事の上で、心がけてきたモットーはありますか。

「できない、と言うのは簡単です。どうすればできるかを考えながら歩んできました。誰に対しても平等に接することも意識しています」

--これまでの仕事で一番印象に残っていることは何ですか。

「マンション耐震強度偽装問題時の住民対応と、簡易宿泊所火災の際に市の窓口として組合側と折衝したことです。苦労した分、とても記憶に残っています」

--就任から1カ月が過ぎました。宮前区の印象はいかがでしょうか。

「区画整理された街並みがある一方で、自然豊かで緑も多い。起伏に富んだ地形も特徴的ですね。イベントや会合に参加させてもらっているのですが、とても地域活動が盛んだと感じました」

--市制100周年における区の取り組みは。

「次の100年に向け、宮前区においてもより一層、『知って、関わって、好きになってもらう』契機にしたい。全国都市緑化かわさきフェアにも積極的にかかわっていきます」

--鷺沼駅前再開発など、今後のまちづくりついてお聞かせください。

「鷺沼駅周辺では、再開発事業が進められており、今年は再開発組合の設立が予定されています。宮前区全体の将来を見据えた取り組みを『宮前区のミライづくりプロジェクト』と名づけ、さまざまに進めています。新宮前区役所等の整備に向けた取り組み、現区役所等施設・用地の活用に向けた取り組み、向丘出張所の機能の充実に向けた取り組み、駅アクセス向上に向けた取り組みがあります。宮前区全体の活性化を促すため、今後も区民への情報提供を行い、さまざまな意見を聞きながら関係局と丁寧に進めていきます」

--最後に区民へメッセージを。

「何が起こるかわからない社会の中で、区役所には対応力が問われています。信頼される区役所を目指し、意見を言い合える風通しの良い職場づくりを通じて、職員一丸となって乗り越えていきたいと思います。ご協力をお願いします」

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