災害現場で期待 四足歩行のロボ 茨城・つくばで公開実験

遠隔操作で建物内を調べる四足歩行ロボット=つくば市立原の建築研究所

災害現場で活躍する四足歩行ロボットの公開実験が16日、茨城県つくば市立原の建築研究所で行われ、被災建物を調査する最新技術が披露された。遠隔操作のロボットを建物内に進入させ、拡張現実(AR)技術を使って被害程度を調べた。人間が入れない危険な場所や夜間時の運用が期待される。

公開されたのは、同研究所とシステム開発のポケット・クエリーズ(東京)、富士防災警備(同)の3者が取り組む共同研究。ロボットは市販品で、上部にタブレット端末を装着。操縦者はタブレット端末の画面越しにロボットを操作する。

研究は2022年に始まり、建物の被害状況の計測や位置情報の記録などができるARアプリの開発を中心に、ロボットの運用や走破性能の調査などに取り組んでいる。

この日は、被災状況を再現した建物で実験を公開。大小3台のロボットを操縦者3人が操った。ロボットアームを付けた大型機が、障害物に見立てた三角コーンのバーをアームでつかみ除去。その後、別の大型機が建物内に進入し、ARアプリで柱の傾きやひび割れを計測した。小型機は少し離れた場所から大型機をカメラで監視し、現場全体の安全確認を行った。

同研究所上席研究員の宮内博之さんは「今回の運用は大型機が調査員、小型機は支援員の役割。複数使うことで効率的な建物調査が行えるようになるので、早く技術提供できるようにしていきたい」と話した。

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