パラ陸上女子・小野寺萌恵、パリ出場狙う 17日世界選手権開幕

パリ・パラリンピック出場を目指し、練習に取り組む小野寺萌恵(あすなろ屋羽場店)=花巻市・日居城野運動公園陸上競技場

 パラ陸上女子の小野寺萌恵(もえ)(20)=紫波町、あすなろ屋羽場店=は、8月のパリ・パラリンピック出場を目指し、17日開幕の世界選手権(神戸ユニバー記念競技場)に臨む。100メートルと800メートル(脳性まひT34=車いす)に出場予定で、各種目2位以内の国・地域に与えられるパリ出場枠獲得を狙う。「かなりハードだが、頑張らなきゃいけない」とラストチャンスに懸ける。

 昨年7月にパリで行われた前回の世界選手権で世界デビュー。得意の100メートルは19秒41の5位で、パラリンピック出場の可能性が高まる4位以内に0秒13届かなかった。「予選と決勝の走りが違った」と結果以上に世界との差を痛感。「観客の声がすごく大きかった。(合図が)鳴ってから出るのが遅れ、落ち着かないままスタートしてしまった」と会場の雰囲気にも圧倒された。

 同10月の杭州アジアパラ大会にも出場し「勝ちたいだけじゃ、感覚だけじゃだめ。いつでも自分の走りができるようにしなきゃいけない」と感じた。高いレベルで安定して戦うため、感覚に頼らない走り方を考えるようになった。練習に付き添う保健師の母尚子さん(51)は「調子が良くて、うまくはまれば記録は出せる。天才肌なところはあるが、悪いときとの違いを自分で分からないといけない」と話す。

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