東京都で爬虫類を診察する動物病院を対象にアンケートを実施 爬虫類を扱う事業者との関係性に関する調査結果を発表 東京都で爬虫類を診察する動物病院の半数がペットショップの来院なし

カメレオンの飼育情報を発信するYouTuber「かーくんちゃんねる~カメレオンのいる生活~」は、東京都で爬虫類を診察する動物病院を対象に、爬虫類を扱う事業者との関係性に関するアンケート調査を行い、その結果を発表します。

動物病院と爬虫類を扱う事業者の関係性に関するアンケート調査

■調査背景

近年のペットブームで爬虫類の飼育者は急激に増えました。現在では東京都のペットショップのうち5軒に1軒が爬虫類を扱っています。一方で爬虫類の診療を行う動物病院は少なく、東京都の場合はペット向け動物病院の3%しか対応していません。(※)そのため、病院探しに苦労する爬虫類飼育者は年々増加しています。

そんな中、一般飼育者より圧倒的に多くの生体を扱うペットショップは、どのように動物病院と関わっているのか、アンケート結果をもとに動物病院と事業者の関係性についてまとめました。

※出所:当サイトによる事前調査

https://chameleon-no-kaikata.com/column-experience/reptile-hospital-report/

■調査結果の要点

・過去1年間に爬虫類を扱う事業者の「来院がある」と答えた病院は半数

・過去1年間で来院した事業者の人数は平均1.4人

・獣医師は事業者が来院しない理由を「コスト」と「対応病院の少なさ」だと感じている

<調査概要>

調査名称:動物病院と爬虫類を扱う事業者の関係性に関するアンケート調査

調査対象:東京都の爬虫類対応可能な動物病院 63軒(有効回答数32)

調査期間:2024年4月15日~5月1日

調査主体:かーくんちゃんねる~カメレオンのいる生活~

調査方法:郵送調査(無記名回答)

・アンケート結果の詳細は以下URLで公開中

https://chameleon-no-kaikata.com/column-experience/vets-questionnaire/

※本PRの内容を引用する際はこちらのURLを出典元としてリンクしてください

■調査結果抜粋

【過去1年間に事業者の来院があった病院は半数】

図2 過去1年間の事業者の来院有無

過去1年間に爬虫類を扱う事業者が「来院した」と答えた病院は半数。爬虫類対応の病院は事業者の数に対して少なく、全ての病院が取り合いになっていてもおかしくない。しかしこの回答を見る限り現実はそうでもないようだ。

【1年で来院した事業者の人数は平均1.4人】

図3 来院事業者数集計

過去1年間の来院事業者の数を聞いたところ、アンケート回答者全体で見ると平均1.4人だった。当サイトの事前調査によると、東京都の爬虫類対応動物病院は1軒あたり事業者を3.1人抱える計算となる。本調査との差から、販売個体を動物病院に連れてこない事業者が相当数いると推定できる。

【診療対象種が多い病院ほど事業者に人気が高い】

図4 診療対象種数と来院事業者数の関係

各病院の診療対象種数と来院者数の関係に注目すると、より診療対象種が多い病院が事業者に好まれていることがわかった。特に診療対象種が8種の病院では、過去1年間に平均4.2人の事業者が通っていた。

【事業者が適切な医療を提供しているかは見方が分かれた】

図7 事業者の医療提供は適切か

爬虫類を扱う事業者が犬や猫を扱う事業者と比べて、販売個体に適切な医療を提供していると思うか聞いてみた。全体で見ると「そう思わない」「ややそう思わない」は計6割。しかし、過去1年間の事業者の来院の有無別に回答を整理すると、「来院あり」と答えた病院は事業者の医療提供を適切だと評価する傾向があった。

【獣医師は事業者が来院しない理由を「コスト」と「対応病院の少なさ」だと感じている】

図8 事業者が来院しない理由

販売個体を病院に連れてこない事業者がいる理由を6つの選択肢から選んでもらった。「利益の追求」「対応病院の少なさ」が60%を超え、「病気や怪我をしづらい」は9%だった。獣医師は、コストのために動物病院を利用しない事業者が多いと感じている一方、事業者も飼育者と同じく病院探しに苦労していると考えている。

■調査結果まとめ

本アンケートの結果から、現在のペット爬虫類を取り巻く「世の中の仕組み」に多くの課題が見えてきました。

動物病院に通わない事業者が相当数いるため、真面目に生体のケアをする事業者ほど価格競争で不利になります。そして、事業者の数に対して爬虫類対応の動物病院は極端に少なく、事業者が求める対応力の高い病院は一握りです。そのため獣医師と事業者の信頼関係が構築されておらず、適切な協力関係が築けていません。

これらの課題を解決するためには、法律の改正などを含めた世の中のルールを変えていく必要があると考えます。

世の中の仕組みが変わる時には必ず異なる意見がぶつかります。敵対し攻撃の応酬をするのではなく、現状の問題点に対しどのようにルールを作れば改善できるのかを議論することが必要です。今後一人でも多くの方が前向きな議論に参加していただけることを、当事務局は願っています。

■かーくんちゃんねる~カメレオンのいる生活~

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