準備が光った西郷真央 人生初「補欠リスト1番」からドタバタ2位

補欠からの繰り上がり出場は「もうこれっきりにしたい」(撮影/Shizuka Minami)

◇米国女子◇みずほアメリカズ・オープン 初日(15日)◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6677yd(パー72)

人生で初めて「補欠リスト1番」で迎えた試合の始まりはドタバタだった。

前週「コグニザント ファウンダーズカップ」最終日に「76」をたたいてトップ10入りを逃した西郷真央は、今週月曜日(13日)に行われた今大会の予選会(マンデートーナメント)に出場。2枠しかない出場権獲得を目指したが、「コースを知らないのもあって、池に入れたり、ショートパットをとことん外したり…」と1打及ばなかった。待機選手の立場は変わらず、その後2日間はひたすら「いつでも出場できるように」と、会場でショットを確認していた。

キャリングボードの名前が用意されないほど急きょのプレー(撮影/Shizuka Minami)

開幕当日のこの日も午前6時に会場入りし、繰り上がり出場の連絡を待った。“第一報”は、午前7時55分にティオフ予定のローズ・チャン(3ホールで棄権)が体調不良で欠場する可能性があると知ったとき。慌てて練習場で準備をはじめ、シャトルバスで10番ティへ向かったが、チャンがティショットを打ったためクラブハウスに戻った。

「普段はスタートの2時間前にコースに来て、30分間ウォーミングアップ。1時間半前から練習を始める」という西郷。そして、カロリン・マソン(ドイツ)の欠場が決まったのが、まさにスタートまで1時間半を残した同10時半頃だった。“第二報”を聞き、もう一度準備して10番ティに立った。

「ちょっと時間は足りていない感じではあった。でも、気持ち的にちょっとバタバタしていたので午後からでよかった」。前半11番(パー3)から2連続バーディを決め、14番(パー3)でもバーディを奪取。唯一のボギーとなった15番は3パットだったが、「ショットが本当に良かった」と流れを止めることなく後半に入った。5バーディ、1ボギーの「68」。首位と2打差の4アンダー2位発進を決めた。

ドタバタなスタートだったが、ボギーはひとつしか打たなかった(撮影/Shizuka Minami)

あす2日目は1番スタートの組では最初の午前7時からのプレーになる。「かなり長い一日だったけれど、何とか試合に出られることができて良かった。ちょっと体が心配だったけど、なんとか無事に回れた。あしたは時間が早いけどしっかりと体調を整えて、気持ちも切り替えて頑張ります」と意気込む。

準備の時間は「練習をしていても気合いが入らなかった。気持ちを入れるのはすごく難しかった」と振り返る。それでも「回れる」と信じて調整した忍耐強さが好発進につながった。(ニュージャージー州ジャージーシティ/石井操)

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